研究課題
リンゴの自家不和合性と単為結果性関連遺伝子群、バラの花器官分化と棘形成に関わる遺伝子群の解析を行い、以下の成果をあげた。1.リンゴ自家不和合性については、(1)国内のS遺伝子型未同定栽培種を中心に21種のS遺伝子型を解析し、13種のS遺伝子型を同定した。(2)両親から予想されるS遺伝子型との間に矛盾の見られた18品種について、交配ならびに後代解析によりS遺伝子型を確認した。記載されている両親に間違いのあると思われる品種の由来を明らかにするために、42栽培種について19種のSSRマーカー解析を行い、計8品種の来歴・系図を明らかにした。2.リンゴ単為結果性については、(3)トランスジェニックリンゴ作出に向けて、単為結果性リンゴ作出用遺伝子導入ベクターpMSK-antiMdiMADS13をもつAgrobacteriumを、リンゴ栽培種'Green Sleeves'に感染させた。3.バラ花器官分化については、(4)野生バラ(Rosa rugosa和名ハマナス)から単離した花弁と雄しべの分化制御に関わるMADS遺伝子群(MASAKO BP、MASAKO B3、MASAKO euB3)を、それぞれ単独でシロイヌナズナに導入した。導入個体間の交配によりホメオティック変異体を作出し、器官分化に必須の遺伝子の組み合わせを明らかにした。(5)ハマナスから単離した花弁、雄しべ、雌しべの分化制御に関わると思われるSEPALLATA 3(SEP 3)ホモログ遺伝子をシロイヌナズナに導入し、機能解析を行った。4.バラの棘形成については、(6)SEP 3ホモログ遺伝子とMASAKO遺伝子導入による棘の花弁化に向けて、バラへの遺伝子導入系の検討を前年度に引き続き行った。(7)ハマナスと棘のない野生バラ(Rosa multiflora)を交配して得られた種子から得た個体(100個体以上)を前年度に引き続き育成した。
すべて 2004 その他
すべて 雑誌論文 (6件)
J.Japan Soc.Hort.Sci. 73
ページ: 208-215
Plant Science 166
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Acta Horticulturae (印刷中)
HortScience (印刷中)
Sci.Rep.Fac.Educ., Gifu Univ.(Nat.Sci.) (印刷中)