根内共生糸状菌Heteroconium chaetospiraは宿主植物に強い抵抗性を誘導し、種々の植物に抵抗性を付与する。我々はH.chaetospiraを前もって植物に接種しておくと、根こぶ病や黄化病などの発病を抑制することに成功した。さらに、H.chaetospiraの根への定着はハクサイに全身抵抗性を誘導し、細菌斑点病とアルタナリア斑点病の発病を抑制した。H.chaetospiraは宿主の表皮細胞内に侵入し、菌糸は表層細胞を貫通して、感染部位を拡大していく。 H.chaetospiraは長期間植物の細胞内にとどまり、他の生物防除剤と比べ、根圏の環境に影響を受けない。 環境条件、温度、湿度、日照、土壌物理・化学性は植物の生理、病気の進展に大いに影響する。H.chaetospiraは低〜中程度の土壌湿度下で根こぶ病に対し効果的であり、土壌1gあたり10^6個以下の休眠胞子濃度で効果がある。
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