研究課題
本課題は子のう菌であるクリ胴枯病菌PTGS発動株を用いて、クリ胴枯病菌感染性ハイポウイルスの他、植物、動物ウイルス由来のPTGS打破作用を有する蛋白質を同定し、性格付けを行なうことを目的としている。これまでに以下の成果を得た。1)ハイグロマイシン耐性遺伝子(HygR)を標的とするPTGSクリ胴枯病菌株の作出を試みた。既に恒常発現用GPDプロモーター支配下に連結したHygRで形質転換した株を得た。PTGS引き金として働くdsRNAを菌細胞内で合成させるため、完全長逆反復配列Hyg(イントロンを含む)でハイグロマイシン耐性株を二重形質転換を行った。二重形質転換体がPTGSを示すかどうかをハイグロマイシンに対して感受性になるかどうかで調べた。数百系統の形質転換体の内、十数株が感受性を示した。DNA解析を行った結果、二重形質転換体が逆反復配列を保持していることが示された。従って、Hyg感受性株はRNAサイレンシングによって感受性を示すことが示された。2)植物ウイルスであると同時に昆虫ウイルスでもある植物レオウイルス(イネ萎縮ウイルス,RDV ; wound tumor virus, WTV)のゲノムセグメントcDNAをクリ胴枯病菌発現ヴェクターにクローニングした。これらコンストラクトを1)で作出しつつあるサイレンシング発動株に形質転換を行った。しかし、レオウイルス由来の蛋白質のFTGS抑制活性は認められなかった。3)菌類感染性ハイポウイルスのP29がPTGS抑制能をN.benthamiana16c系統(GFP発現形質転換体)を用いたアグロインフィルトレーション法により調べた。その結果、P29の発現によりGFPに対するPTGS抑制されているのが確認された。但し、その抑制能は既に同定されているHC-Pro, P19より低かった。
すべて 2005 2004 2003 2002
すべて 雑誌論文 (7件) 図書 (2件)
Journal of General Virology 85
ページ: 3437-3448
Journal of Virology 78
ページ: 892-898
Advances in Virus Research
ページ: 423-472
Journal of Virology 77
ページ: 11697-11707
化学と生物 41
ページ: 183-192
Journal of Virology 76
ページ: 7747-7759
Molecular Plant-Microbe Interactions 15
ページ: 780-789