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2003 年度 実績報告書

昆虫幼若ホルモン(JH)拮抗阻害物質の創製とJHレセプターの単離・同定

研究課題

研究課題/領域番号 14360031
研究機関九州大学

研究代表者

桑野 栄一  九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (00108672)

キーワード幼若ホルモン / 早熟変態 / 6-メチルピリジン誘導体 / 抗幼若ホルモン
研究概要

新規抗幼若ホルモン活性物質ethyl 4-[2-(6-methyl-3-pyridyloxy)butyloxy]benzoate(EMP)を見いだした。リガンドブロッティング法によりEMPの作用部位を探索するため、EMPのベンゼン環上のカルボキシル基に炭素8個のスペーサーと西洋ワサビのペルオキシダーゼを結合させたリガンドを調整した。このリガンドに結合するタンパク質の探索を、3齢から5齢幼虫のヘッドカプセルと蛹の卵巣濾胞細胞に対して行ったが、特異的に結合するタンパク質を検出することはできなかった。この一つの理由として、EMPの生物活性が十分でないことが考えられたので、さらにEMPをリード化合物として高活性物質の合成探索を行った。
側鎖アルキル基の長さを検討した結果、2-(6-メチル-3-ピリジルオキシ)ヘキシル体と4-メチル-2-(6-メチル-3-ピリジルオキシ)ペンチル体がEMPより高い活性を示し、さらにアルキル鎖を伸ばした場合、活性は低下した。そこで、アルキル鎖をヘキシル基に固定して、6-メチル-3-ピリジル部位の構造と活性の関係を検討したところ、置換フェニルやナフチル基は低い活性であったが、無置換フェニル基に最も高い活性が認められ、ピリジン環は活性発現に必須でないことがわかった。次にベンゼン環上の置換基エトキシカルボニル基をエチルあるいはアセチル基に変換すると、活性は低下し、無置換あるいは塩素原子にすると活性は消失したことから、エステル構造が活性に重要であることがわかった。また、強い活性を示したethyl 4-[4-methyl-2-(6-methyl-3-pyridyloxy)pentyloxy]benzoateの光学活性体をL-及びD-ロイシンから合成した結果、R体、S体とも早熟変態を誘導し、活性にほとんど差は認められなかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] In-Hae Kim et al.: "Synthesis and structure-activity relationships of 6-methyl-3-pyridyl Ethers as anti-juvenile hormone agents"Journal of the Faculty of Agriculture, Kyushu University. 47・2. 395-405 (2003)

  • [文献書誌] H.Ishiguro et al.: "Ethyl 4-[2-(6-methyl-3-pyridyloxy)butyloxy]benzoate, a novel anti-juvenile hormone agent"Bioscience Biotechnology and Biochemistry. 67・9. 2045-2047 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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