研究分担者 |
高橋 進 信州短期大学, 経営情報学科, 助教授 (80249200)
西岡 孝彦 信州大学, 繊維学部, 助教授 (10164542)
森川 英明 信州大学, 繊維学部, 講師 (10230103)
清水 重人 (財)大日本蚕糸会, 蚕糸科学研究所, 教授
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研究概要 |
最初に対象とする技術の選択作業を行った。本年度は,伝統蚕糸技術作業としては,繰糸分野に関する作業に焦点をあてた。特に日本古来の手作業による糸作り作業から簡単な機械を用いた作業までを対象に考えた。こうした技術の保存および継象を目標として,本年度購入した光学式モーションキャプチャー装置及び一対のバーチャルハンド(サイバーグローブ)を利用した蚕糸作業者の動作測定のためのシステム作りを行った。メーカから提供されるソフトウエアーでは本研究の目的に合わないため,独自のシステムの開発を行った。その結果,(1)モーションキャプチャー装置により収集したデータを一時保存し,標準的なプログラミング言語を用いて3DCGとしてコンピュータ上に表示する基本的コンピュータプログラムを開発した。(2)サイバーグローブの動作方式を解析し,独自の方法で手の動きデータを自由に収集保存できるプログラムを開発した。(3)モーションキャプチャーのデータとサイバーグローブのデータを統合する基本的ソフトウエアーを開発するとともに異なった装置から得られる作業者の部分動作を人全体の動きとして統一して3DCG表示する方式を開発した。次に,これらの新たに開発した独自のソフトウエアーを用いて,足踏み式座繰器による熟練技術者の繰糸作業動作の測定と解析を行った。この結果,(4)開発したシステムにより作業者の動作の表示が可能であることを確認した。(5)熟練技術者による繭補充の動作を詳細な数値データとして得ることができた。(6)これを基に,手の移動角度,タイミングに関する知見を得ることができた。
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