研究課題
基盤研究(B)
植物において培地からのNO_3^-吸収に関わる硝酸トランスポーター(HvNRT1およびHvNRT2)とNO_3^-の道管ローディングに関わると予想されるアニオンチャネル(HvCLC)の翻訳後修飾に関する生化学的解析を加えることを目的に研究を行い,以下の結果を得た。1.オオムギ高親和性硝酸トランスポーター(HvNRT2)の翻訳後制御とタンパク質リン酸化オオムギを高濃度の窒素で生育させると、根の高親和性硝酸吸収活性は強く抑制されたが、根のNRT2タンパク質は高発現していた。これより、オオムギにおける高親和性硝酸吸収活性は、タンパク質の翻訳後レベルで制御されることが明らかとなった。組換えで得られたHvNRT2のC末端ポリペプチドは、オオムギ根の可溶性画分中のリン酸化酵素によりリン酸化された。このリン酸化活性は、Ca^<2+>依存的で、かつ窒素誘導性であった。オオムギ幼植物根より調製したミクロソーム画分中のHvNRT2タンパク質もまた可溶性画分によってリン酸化された。このリン酸化活性もCa^<2+>依存的で、かつ窒素誘導性であった。2.オオムギアニオンチャネル(HvCLC)のタンパク質リン酸化HvCLCタンパク質のC末端領域を大腸菌内で発現させ、組換えポリペプチドを得た。このHvCLCのC末端ポリペプチドは、オオムギ根の可溶性画分中のリン酸化酵素によりCa^<2+>に強く依存的してリン酸化された。このリン酸化活性は、培地窒素には応答しなかった。
すべて 2004
すべて 雑誌論文 (1件)
Soil Science and Plant Nutrition 50(4)
ページ: 527-535