研究課題
基盤研究(B)
グリコシラーゼは糖質のグリコシド結合を加水分解する酵素の総称である。これらの酵素は加水分解の他に、基質のグリコシド残基をアクセプターに転移する反応(糖転移反応)を示す。転移反応は応用性が高く、i)清涼飲料水などの食品に含まれる機能性オリゴ糖の生産やii)多彩な生理活性をもつ複合糖鎖の合成に利用されている。しかし、加水分解と糖転移反応は切り離すことはできず、同時に進行する。従って、転移糖の生成条件であっても基質の加水分解が行われ、かつ、転移反応の生成物も分解されてしまう。我々は、グリコシラーゼの構造と機能を解析してきた。この研究過程で糖転移反応のみを抽出できる現象を見出した。本課題の目的は、本現象の機構を分子解析し応用に結びつけることであり、成果を以下に示す。1)対象としたグリコシラーゼについて自殺基質の手法で求核残基を推定後、本残基の点置換酵素(合成酵素)を発現・精製した。フルオライド基質について合成法を確立させ、大量調製を行った。得られた合成酵素は、いずれも分解活性を示さず、フルオライド基質とアクセプター基質を合成させる反応のみを行った。合成の至適pHはアルカリ側へシフトし、本現象は一般的に観察された。アクセプター特異性を調べたところ、アリールなどの疎水基を有する合成配糖体が最も高い収率を与えた。これは、サブサイト+2による疎水グループへの認識能が高いことを意味している。2)「歪み発生のアミノ酸変異酵素」を作製・精製・性質解析を行い、オリゴ糖合成試験を行った。収率が低いことが判明したので、反応条件を検討し、基質濃度の変化に効果を認めた。また、有機溶媒の添加も有効であったが、高濃度では活性低下が生じた。有機溶媒に耐性な糖質分解酵素が得られているので、これを歪み発生型酵素にするような発展研究を行いたい。
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