研究課題/領域番号 |
14360055
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山本 憲二 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (70109049)
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研究分担者 |
羽田 勝二 (財)野口研究所, 研究部, 研究員 (40270540)
藤田 清貴 京都大学, 生命科学研究科, 学術振興会特別研究員
玉置 尚徳 京都大学, 生命科学研究科, 助手 (20212045)
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キーワード | ケチン / エンドグリコシダーゼ / 糖転移活性 / 糖鎖 / 糖タンパク質 / Endo-α-N-acetylgalactosaminidase |
研究概要 |
本研究は糖タンパク質の糖鎖を切断遊離する微生物のエンド型グリコシダーゼの糖転移活性を活用して、生体防御機能を持つ人工ムチンを酵素合成し高度利用することを目的としている。本年度は土壌より単離同定した細菌Bacillus sp.の培養液中に見出した、ムチン型糖鎖に作用するエンドグリコシダーゼEndo-α-N-acetylgalactosaminidaseの遺伝子クローニングを目指してその精製とアミノ酸配列の解析を行った。 先ず、Bacillus sp. A198の生育とEndo-α-N-acetylgalactosaminidase活性との相関を調べた。酵素活性はP-Nitrophenylβ-galactosyl(1-3)α-N-acetylgalactosaminideを基質として測定した。本菌をペプトン-酵母エキス-肉エキス培地で培養し、培養液中の酵素活性を経時的に調べたところ、5〜6日間の培養によって活性が最も高くなることが示された。そこで、本菌を培地5Lで6日問培養し、その培養液を遠心分離して、得られた上清液より本酵素の精製を企てた。上清液を硫安沈殿した後、透析し、この透析液について、DEAE-Sepharose、Phenyl Sepharose、GIGAPITEの各カラムクロマトグラフィーを順次行って酵素を精製した。精製酵素標品についてSDS-PAGEを行ったところ、未だ完全には精製されていないことがわかった。そこで、予備的な実験結果より求めた分子量(110kDa)に相当するタンパク質バンドをゲルより抽出して、N-末端および内部アミノ酸配列を調べた。その結果、N-末端アミノ酸は修飾されていることが明らかになったので、酵素標品をリシルエンドペプチダーゼやトリプシン、V8プロテアーゼによって処理して分解ペプチドをHPLCにて分離分取し、いくつかの画分についてアミノ酸配列を調べた。その配列を基にしてプライマーを作成し、Bacillus sp. A-198のゲノムDNAを鋳型として現在、遺伝子断片の増幅を試みている。一方、Bacillus sp. A198のゲノムライブラリーを作成して大腸菌で本酵素の遺伝子を発現させる試みも行っている。
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