研究課題/領域番号 |
14360056
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用微生物学・応用生物化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
熊谷 英彦 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (70027192)
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研究分担者 |
鈴木 秀之 京都大学, 生命科学研究科, 助教授 (10202136)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | チロシンフェノールリアーゼ / TyrR / ドーパ / Erwinia herbicola / tutB / LIVI / LSシステム / トランスポーター / 芳香族アミノ酸 |
研究概要 |
大腸菌におけるフェニルアラニン(Phe)の取り込みには、これまでAroPおよびPhePの2種のトランスポーターが関与しているとされていたが、我々はこれらを欠損した株が顕著なPhe取り込み能を有することを見出した。そこで本研究では、この取り込みを担う新規なPheトランスポーターの同定および機能解析を行った。既知の芳香族アミノ酸トランスポーターをすべて欠失させた大腸菌は、Phe生合成系遺伝子(pheA)を欠損させても低濃度のPheを含有する最少培地上において生育が可能であった。しかしながら、ロイシンおよびイソロイシンの共存下においては著しい生育阻害が観察されたため、分岐鎖アミノ酸トランスポーターLIV-I/LSもしくはBrnQのPhe取り込みへの関与が示唆された。遺伝子学的解析の結果、LIV-I/LSがPhe取り込みを担う第3のトランスポーターであることが明らかになった。アザセリンは種々の酵素反応の阻害剤として機能するほか、DNAに損傷を与えることで生体に毒性をおよぼす。大腸菌においては、これまでに種々のアザセリン耐性株が取得されているが、中程度耐性株(芳香族アミノ酸トランスポーターAroP欠損株)に未同定遺伝子の変異(azaB)を導入した高耐性株においてPhe取り込み能が低下すること、また分岐鎖アミノ酸がアザセリン感受性を低下させることが報告されていた。そこで、AroP欠損株にLIV-I/LS欠損を導入したところ、アザセリン耐性が上昇した。本菌株にLIV-I/LS遺伝子群をプラスミドにて導入したところ再び耐性が低下した。このことから、LIV-I/LSが大腸菌のアザセリン感受性に関与することが明らかになった。
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