研究課題
基盤研究(B)
偏性嫌気性細菌Desulfitobacterium sp.Y51株はテトラクロロエチレン(PCE)を最終電子受容体として強力に脱塩素化してトリクロロエチレン(TCE)を経てcis-ジクロロエチレン(cis-DCE)を生成する。この反応はエネルギー生成系が共役しておりハロゲン呼吸と称される。本課題では以下の研究を行った。1.Y51株のPCEデハロゲナーゼ酵素を精製、抗体を取得した。ついで本酵素がペリプラズムに局在することを明らかにした。2.PCEデハロゲナーゼ酵素はPCE及びTCEの添加により転写レベルで高度に誘導された。一方、cis-DCE添加により転写が阻害されるばかりでなく酵素反応も阻害された。3.PCEデハロゲナーゼ遺伝子(pceA/pceB)近傍の遺伝子をクローン化した。その中に本遺伝子クラスターの転写制御遺伝子と考えられるpceRが存在した。pceR遺伝子はPCE/TCEと結合してpceAB遺伝子の転写を促進すると考えられる。4.cis-DCEによる転写阻害に関しては、市販のcis-DCE中に不純物質として存在する著量のクロロフォルムが関与していた。1μMの極低濃度のクロロフォルムを添加して培養するとpceAB遺伝子を含む約6.6-kbDNAが高頻度(80%以上)に欠失した。また、クロロフォルムはY51株野生株の生育を著しく阻害するが、欠失株の生育を阻害しなかった。5.上記の研究と並行してPCEを完全にエチレンまで脱塩素化する微生物コンソーシアを取得した。このコンソーシア中にはDehalococcoides属細菌の存在が認められた。
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