研究課題/領域番号 |
14360061
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
及川 英秋 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00185175)
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研究分担者 |
豊増 知伸 山形大学, 農学部, 助教授 (60272085)
戸嶋 浩明 茨城大学, 農学部, 助教授 (50237088)
伊藤 浩之 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (10241366)
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キーワード | ジテルペン / 環化酵素 / フォルボール / 生合成 |
研究概要 |
トウダイグサ科植物に含まれるphorbol、ingenolに代表される複雑な骨格を有するジテルペンのエステル類の骨格合成に関わる酵素を研究する第一段階として、環化酵素生成物と予想される炭化水素の単離構造決定を試みた。日本で入手可能なシナアブラギリ、クロトン、ホルト草の3種につき、成分検索を行った結果、ホルト草に微量ながら11種のジテルペン炭化水素を見出した。 ホルト草にはインゲナン型ジテルペンのほか、より構造が簡単なラチラン型ジテルペンが大量に含まれている。このうち主成分であるEuphobia factor L1およびL3から合成的に予想環化生成物を調製し、GC-MSを用いて微量成分の中に一致する成分を探している。現在、様々な還元条件で反応を行った結果、Euphobia factor L3を基質として用いた場合エチルアミン、金属リチウムで還元を行い、15位アセトキシ基の還元的除去および5位アセトキシ基の転位を伴った還元により、正しいE型オレフィンを持つヒドロキシケトンの合成に成功した。残る2個の脱酸素化は同様のBenkeeser還元では複雑な混合物を与えるのみであり、エノンをDIBAH還元して得られるアルコールをチオカーボネート体に導き、トリブチルスズヒドリドによる還元を行ったが、これまでに望む化合物を得ることに成功していない。 このほか4環性ジテルペンphorbol、ingenolの生合成前駆体と予想されるcasbeneの環化酵素を用いて、反応生成物を検討したところ、主生成物であるcasbeneのほかに、微量成分を検出し、この構造に関しても検討中である。
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