研究課題/領域番号 |
14360067
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
瀬戸 治男 東京農業大学, 応用生物科学部, 教授 (10013335)
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研究分担者 |
須恵 雅之 東京農業大学, 応用生物科学部, 助手 (10328544)
降旗 一夫 東京大学, 大学院・農学応用生命研究科, 助手 (20219091)
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キーワード | テルペノイド / テルペン / pimaradiene / mevashuntin / mevinolin / フラキノシン / メバロン酸経路 |
研究概要 |
今年度はメバロン酸経路を有する放線菌のスクリーニングに付いては、海洋産の菌株について行った。約2000株の分離株についてテストし、10数株の陽性菌株の取得に成功した。これらは、Streptomyces属以外にNocardia、Rhodococcus、Oerskoviaなどに属するものであった。これら菌株についてテルペン化合物の生産の有無を試験である。 テルペノイド化合物であるフラキノシン生産菌(Streptomyces sp.KO-3988)が、2組のメバロン酸経路遺伝子クラスターを保持していることが判明した。1組はフラキノシン生合成専用のものであることを証明した。残りの1組のメバロン酸経路遺伝子クラスターは、ジテルペン生産用と思われたので、その精製を行ったところ、3種の新規化合物が得られ、いずれもpimaradiene類縁体であることが判明した。これまで報告されているpimaradiene型のテルペンは,すべて植物由来のもので、放線菌から単離されたのは初めてであり、化学分類学的に興味深い。 別の菌株Streptomyces sp.NT14からは既知のテルペン化合物であるlavanducyaninに加えて新規化合物であるdemethylnapyradiomycinを単離した。 メバロン酸経路と非メバロン酸経路の両方を併せ持つ放線菌Streptomyces prunicolorに付いて、メバロン酸経路の鍵酵素HMG-CoA reductaseの阻害剤であるmevinolinを用いてその影響を検討したところ、新規化合物であるmevashuntinの単離に成功した。本化合物はチアゾロン環とピラノナフトキノン基が共役した構造を有するユニークなものであった。
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