研究概要 |
食品素材成分としてのアントシアニンの体内吸収を、アントシアニンのラットへの給与が生体内樽能に及ぼす影響を指標の一つとして検討した。ナス主要アントシアニンのナスニン、ニュージーランドで栽培が盛んに行われ、かつ、cyanidin 3-0-glucosylrutinoside, cyanidin 3-0-diglucoside, cyanidin 3-0-glucosideを主要成分とするボイズンベリーアントシアニンをガラクトサミン誘発肝障害ラットに投与したところ、ガラクトサミン誘発肝障害が抑制されており、体内へ移行後、その機能を発現していることが推察された。また、ナスニン、比較的低分子量のアントシアニンからなるブルーベリーアントシアニン、ボイズンベリーアントシアニン、比較的高分子量のアントシアニンを主要成分とするアツミカブアントシアニンを経口投与し、門脈血、肝臓および血液についてアントシアニンを検索したところ、ブルベリーアントシアンおよびボイズンベリーアントシアニンなどに含まれる低分子量のアントシアンは腸管腔から吸収され体内に移行していることが明らかとなった。一方、高分子量のアントシアニンを主体とするアツミカブアントシアニンは投与した化学構造での体内移行は認めらず、吸収が悪いか、そのままでの形では吸収が起りにくいことが推察された。ボイズンベリーアントシアニンは糖尿病ラットにおける体内過酸化も抑制し、その体内移動がその機能と密接に関係していることがさらに支持された。
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