研究課題/領域番号 |
14360068
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
五十嵐 喜治 山形大学, 農学部, 教授 (00111336)
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研究分担者 |
竹中 麻子 明治大学, 農学部, 助教授 (40231401)
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キーワード | アントシアニン / 輸送担体 / Ussing chamber / 空腸 / 回腸 / 初代培養肝細胞 / タイトジャンクション / 受動輸送 |
研究概要 |
ポリフェノール、とくにアントシアニンの体内吸収特性と機構を明らかにするため、腸管腔吸収モデル、すなわちUssing chamberを用い、アントシアニンの化学構造とその腸管切片における輸送・移行との関連性について検討した。筋層を剥離した腸管切片の粘膜側に各種アントシアニンを添加し、その移行を検討したところ、アントシアニンの基本骨格、すなわちアントシアニジン1分子と単糖1分子からなる低分量のアントシアニン、また、これらに芳香族有機酸(アシル基)が1〜数分子結台したアシル化アントシアニンのいずれも漿膜側に移行することが明らかとなった。また、移行量は低分子量アントシアニンがアシル化アントシアニンよりも多いこと、回腸での移行量が空腸での移行量よりも多いこと、さらにはグルコーストランスポータ阻害剤の添加実験などから、回腸ではタイトジャンクションを介してアントシアニンが移行することが明らかとなった。また、空腸では、アントシアニジンに結合する糖の種類によって、移行量が異なる場合もあり、一部能動輸送による移行のあることが明らかとなった。アントシアニジン骨格の水酸基の数、そのメチル化によるアントシアニンの移行量への違いはほとんどみられなかった。 一方、ポリフェノールの輸送に関与する輸送担体について肝臓培養細胞を用いて検討した。初代培養肝細胞へのケルセチン、その配糖体のルチンの取り込みを顕微鏡上での蛍光強度の比較、さらには取り込みの温度依存性から検討したところ、ケルセチンはルチンに比べ、37℃、0℃のいずれにおいても高い取り込みを示すこと、また、ケルセチンは37℃より、0℃において取り込み量が多いこと、MRP阻害剤によって、細胞への取り込み量が影響を受けないことなどが明らかとなった。以上の結果から、肝臓培養細胞はケルセチンを受動的に細胞内に取り込む一方で、ケルセチンを能動的に輸送する輸送担体が存在する可能性が示された。
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