研究課題/領域番号 |
14360070
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
八村 敏志 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (40238019)
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研究分担者 |
上野川 修一 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (50011945)
伊勢 渉 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (70323483)
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キーワード | 経口免疫寛容 / T細胞 / 腸管免疫系 / シグナル伝達 / アポトーシス / IgE |
研究概要 |
(1)経口免疫寛容の分子機構の解明:経口免疫寛容状態のT細胞において、転写因子、細胞応答を負に制御することが知られる分子の動態について検討した。その結果、抗原刺激後の転写因子の核移行について、これまで明らかにしていたNFATに加え、NF-kBの核移行も減弱していた。また、経口免疫寛容状態のT細胞において、cbl-b, cblの発現量が増強していた。以上の特徴が経口免疫寛容T細胞の低応答状態の維持に関与することが示唆された。 (2)食品タンパク質抗原を認識したT細胞の挙動解析:食品タンパク質抗原の経口摂取により誘導されたT細胞が細胞表面分子CD62L/CD44の発現により2つの細胞集団に分離できることを見出し、サイトカイン分泌能の異なる2種類の低応答化T細胞が誘導されることを示してきた。そこでこれら各細胞集団の機能について、抑制活性を中心に検討した。CD62L^<low>CD44^<high>T細胞はFasL遺伝子の発現が高く、未感作T細胞と共培養することによりアポトーシスを誘導した。さらにこれら細胞を移入してin vivo抑制活性を検討したところ、いずれの細胞群もalum免疫により誘導されるIgE抗体産生応答を抑制したが、CD62L^<low>CD44^<high>T細胞のみT細胞分裂応答も抑制した。これらの結果から、食品タンパク質抗原の経口摂取により2種類の抑制性低応答T細胞が誘導されることが示された。
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