研究分担者 |
川邉 洋 新潟大学, 農学部, 教授 (80126036)
沼本 晋也 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (60324555)
近藤 観慈 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (60335148)
海堀 正博 広島大学, 総合科学部, 助教授 (30183776)
権田 豊 新潟大学, 農学部, 助手 (10303116)
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研究概要 |
今年度の研究は,地震時の斜両安定解析を行うために必要な斜面内の内力の測定を行い,また,藤原町の6年前の地震後頻発するようになった土石流の解析を行った。 1.斜面安定解析 山地斜面では地震・降雨等が原因となって崩壊や地すべり現象が発生する。これらの現象による災害を適切に回避するために,崩壊や地すべりのメカニズム解明が求められている。ここでは,斜面模型を用いてすべり面垂直力と,測定の困難であったすべり面せん断力とが測定可能な装置を開発した。用いた斜面模型は,予備実験により開発したすべり面せん断力測定装置を各スラィスの底面に取り付けたものである。せん断力測定装置は,底面版の下にせん断摩擦をなくすために模型レールを布設し,受圧面に上部土塊の滑動によつて生じるせん断力を作用させた。この装置を用いた実験の結果と力学的つり合い条件から斜面内の内力が求められることを示し,この値から,各種斜面安定解析法の精度を検討した。その結果,(1)開発した斜面模型による実験から,これまで把握が困難であった内力が求められた。(2)各種斜面安定解析法の中ではSS法が最も精度よく実験結果を説明できた。 2.藤原町の土石流解析 今年度の2003年8月8日に土右流が再発した三重県員弁郡藤原町内の西之貝戸川と小滝川は,2002年7月17日にも土石流が発生しており,過去,西之貝戸川で1999年の8月と9月に各1回,小滝川で同年の9月に1回発生している。西之貝戸川では1998年4月の地震以後7月にも小規模な土石流が発生しており,発生回数は1998年以降6年間で5回になる。ここでは,土石流の再発性について,今回の土石流の発生前後の現地調査から考察するとともに,土石流の発生原因を,再発型土石流発生時の降雨と1999年以降の降雨イベントを用いて4種類の方法によって検討した。
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