研究課題/領域番号 |
14360087
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
林学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
戎 信宏 愛媛大学, 農学部, 助教授 (60176782)
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研究分担者 |
高瀬 恵次 愛媛大学, 農学部, 教授 (90133165)
藤原 三夫 愛媛大学, 農学部, 教授 (20144347)
西川 敦 愛媛大学, 農学部, 講師 (70189265)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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キーワード | NDVIの季節変化 / 樹冠遮断 / タンクモデル / 樹冠貯留量 / 樹形モデル / 遮断蒸発 / 水源涵養機能 / 流域比較 |
研究概要 |
本研究の成果は以下の通りである。 1)試験流域における森林観測タワーにより、愛媛県のスギ、ヒノキの人工林おける蒸発散量の季節変化の定量的データを得られた。 2)3年間の林内雨量観測により、スギ、ヒノキの林の遮断蒸発のメカニズムとそのモデル化を行うことができた。さらに落葉広葉樹林の林内雨量観測データも得ることができた。そのため、樹冠遮断のメカニズムを取り入れた樹冠遮断タンクモデルを用いてスギ林での樹冠遮断量の推定が可能となった。 3)雨量・流量観測の比較から人工林流域と広葉樹林流域の流出特性の違いが、土壌の保水性と蒸発散に関係していることが明らかとなった。 4)正規化植生指標(NDVI)と蒸発散量との関係から広域の蒸発散量を推定する方法を検証するために森林観測タワーの現地NDVI観測と衛星データによるNDVIの季節変化とスギ、ヒノキ、落葉広葉樹のNDVIの季節変化を解析した。その結果、人工林のスギ、ヒノキのNDVIの季節変化は蒸発散量の季節変化とは類似していないことがわかった。そのため、蒸発散量とNDVI値を直接関係づけることはできなかった。一方、落葉樹林では、蒸発散量とNDVIの季節変化には相関が認められる結果となり、広域の森林流域全体をNDVIと蒸発散量との関係で定量化は、針葉樹林においては衛星データを用いる方法は基本的に考えなす必要がでてきた。 5)水源涵養機能を評価するため、樹冠遮断のメカニズムを解析していく上で、単木樹形モデルの開発とその解析を行うことができた。これは、森林の施業と遮断蒸発量の関係を、樹冠貯留量で評価できるようになったことを意味する。この樹形モデルは、樹高と枝長の関係から、さらに葉量の推定までできる可能性があるため、これを流域のような森林全体に容易に展開できる方法を見つければ、施業効果をかなり的確に評価できるモデルとして構築することが可能となることがわかった。
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