研究課題/領域番号 |
14360096
|
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
服部 順昭 東京農工大学, 農学部, 教授 (90115915)
|
研究分担者 |
山内 秀文 秋田県立大学, 木材高度加工研究所, 講師 (90279513)
小林 好紀 秋田県立大学, 木材高度加工研究所, 教授 (00279506)
安藤 恵介 東京農工大学, 農学部, 助手 (70262227)
|
キーワード | レーザ / インサイジング / ビームエキスパンダ / 穴あけ / アスペクト比 / 柱材 / 過熱蒸気 / 乾燥 |
研究概要 |
本年度の計画は、(1)レーザ光学の理論を応用したビームエキスパンダと光学ヘッドの設計・製作、(2)新光学系の現有設備である1.7kW炭酸ガスレーザ加工システムへの組込み、(3)レーザ光の照射条件とあいた穴形状の関係調査、(4)ビームエキスパンダの穴あけへの適用性の見極め、(5)従来よりスリムな穴によるスーパレーザインサイジングの流体通導に及ぼす影響や外観評価の蒸気噴射乾燥による確認であった。 実験の結果、(1),(2)に関しては、今年度の設備費により設置した光学系の基本性能を調べたところ、直径75mmのZnSeレンズで連続インサイジングした場合に、冷却効率の低下が懸念されるものの、入射ビーム径を2倍、3倍に拡大することが可能となり、それに反比例して焦点位置での穴径の縮小が期待できる光学系が完成できた。 (3)についてアクリル板への穴あけ実験の結果、入射ビーム径が大きいほど焦点位置での穴直径は小さくなること、ビーム径1倍(直径18mm)で最も深い穴があくこと、アスペクト比(穴深さ/穴直径)はビーム径2倍で最大となり、そのときの穴深さは65mm程度となったことが分かった。 (4)100mmを超える穴あけが必要な柱材にはエキスパンダを使わずに(ビーム径1倍)、集成材のラミナ(最大厚さが40mm程度まで)にはビーム径2倍のエキスパンダを、木材表面で最も小さな穴をあけるにはビーム径3倍のエキスパンダを、それぞれ用いると良いことが分かった。 (5)蒸気噴射乾燥では、インサイジング穴から繊維方向に数十cm程度までの乾燥が可能であること、過熱蒸気(スーパスチーム)であるほど速く乾燥することが分かった。これらの結果を基に、密度5,000個のレーザインサイジングを施したスギ柱材を蒸気噴射乾燥したところ、約4時間で繊維飽和点まで含水率を下げることができ、気乾状態へも難なく乾燥させられることが示唆された。500個まで密度を下げても、含水率差の少ない乾燥が半日程度で行えることが分かった。
|