研究課題/領域番号 |
14360096
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
服部 順昭 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 教授 (90115915)
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研究分担者 |
安藤 恵介 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助手 (70262227)
小林 好紀 秋田県立大学, 木材高度加工研究所, 教授 (00279506)
山内 秀文 秋田県立大学, 木材高度加工研究所, 講師 (90279513)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | レーザ / インサイジング / ビームエキスパンダ / 穴あけ / アスペクト比 / 柱材 / 過熱蒸気 / 乾燥 |
研究概要 |
木材の側面からレーザインサイジングによりあけた貫通穴中を、蒸気噴射プレスを用いて、100℃以上の高温蒸気(過熱蒸気)を高速で通過させ、急速・均一加熱による水分の蒸発とベルヌーイの定理により生じる穴周辺部の水分の減圧・脱水を起こさせ、急速乾燥させる蒸気噴射乾燥法を開発した。さらに、流体の通過性を左右する穴形状をビームエキスパンダによりどの程度制御可能かについても調べた。 得られた結果は下記の通りである。 1.蒸気漏れを起こさずに蒸気噴射乾燥実験が行えるよう、蒸気噴射プレスに設置する治具を設計・製作した。乾燥収縮による蒸気漏れは起こらなかったので、目標含水率の15%まで乾燥が可能となった。それにより、過激な乾燥条件では、乾燥割れが発生するので、蒸気噴射乾燥といえども、適正な乾燥スケジュールを構築する必要のあることが分かった。 2.インサイジング密度が高いほど乾燥速度は大きくなるが、その割合は最大でも2倍程度であり、インサイジングの密度差(4倍)ほど効果は無かったので、蒸気噴射乾燥ではインサイジング密度を闇雲に高める必要の無いことが分かった。 3.繊維方向と直交方向の穴間隔の比率を変えて乾燥した場合、その比率が1:2と1:5では乾燥速度が低下した。この傾向は、インサイジング密度が1000個/m^2で顕著となり、それより高くても(2000個/m^2)、低くても(500個/m^2)認められなくなった。 4.本研究の範囲内では、インサイジング密度が1000個/m^2で最も良好な乾燥が行えた。 5.入射レーザ光の直径を2倍、3倍と大きくするほど、細い穴があくことが分かったが、焦点深度が浅くなるので、柱材よりも集成材ラミナのインサイジングに適していることが分かった。 熱気乾燥とは比較にならないほど短時間で乾燥できる蒸気噴射乾燥法を開発したが、今後の課題はレーザインサイジング密度をどれだけ落とせるかである。
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