研究概要 |
本年度は,1)ネット開閉装置の開発と動作試験,2)海上実験による生物データの取得と解析,について研究を行った。得られた成果は以下の通りである。 1)ネット開閉装置の開発と動作試験 装置の概要 ネット開閉装置の設計について検討を進め,主な仕様を次のように決定した。a.開閉機構:電磁ポンプ制御によるシーケンシャル開閉機構,b.開閉制御方式:メモリー式タイマーによる制御,以上の仕様により,本開閉装置は従来のようなアーマードケーブルによる有線制御とは異なり,特別なウインチを持たない調査船においても運用可能な開閉式ネットを実現する。 進捗状況 上記の各装置の詳細設計において多大な時間を労したことにより,現在,ようやく同装置の完成を迎え,陸上での動作試験に移る段階にある。海上での動作・運用試験は翌年度4月に予定しており,現在,その準備を整えている状況である。 2)海上実験による生物データの取得と解析 オキアミ類を対象としたFMT (Framed Midwater Trawl)による採集調査を継続し,採集データと科学魚探による音響データとの比較から,多周波法による音響散乱層内のオキアミの密度推定について検討を行った。その結果,オキアミについては120kHzと200kHzのdB差を用いた場合に良好な結果が得られることがわかった。 なお,本年度はICES Symposium on Fish Behaviour in Exploited EcosystemsにおいてWYSIWYG-Netの基本設計となるFMTの採集効率の変動に関する研究発表を行った。
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