研究概要 |
1.開閉式ネットの開発と動作試験 設計 2層のネットを定水深で作動させるために,対暴露性に優れた圧気式シリンダを2本組み合わせ,本体の圧気容器から作動圧を印加する方式を採用した。また,曳網スケジュールを内部タイマーにセットすることで,船上からの外部的操作を一切必要としない。なお,同開閉式ネットは従来のネットと異なり使用毎の網のリセットの必要が無く直ちに投網を再開できる特徴を持つ。 海上試験 構造上,漁具抵抗が大きくなることから,実際の海上において動作試験を兼ねて曳網状態調査のために実験を行った。その結果,曳網状態は安定しており,操作性についても特に問題は認められなかった。 陸上試験 シミュレーション及び室内実験の結果,50m以深での確実な動作を行うためには,現用の圧気圧(0.7MPa)を上げるか圧気容積を倍加する必要のあることがわかり,現在その改良を行っている。 2.海上実験によるデータの取得と解析 フレームトロールに,曳網深度確認用のSCANMARとLOPC(Laser Optical Plankton Counter)を装着し曳網試験を行い,SEP(Single Element Plankton)とMEP(Multi Element Plankton)それぞれのESD(Equivalent Spherical Diameter)分布を調べた。ネット採集によるカウントとLOPCで計数されたMEPカウント(ESD:1.5〜35mm)との比較では高い相関が見られた。また,LOPCのトンネル内流速からESDの各階級毎の生物密度を算出し,採集されたプランクトンの個体数密度と比較したところ,カイアシ類,オキアミ類についてLOPCによる種判別及び量的推定が可能であることがわかった。
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