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2003 年度 実績報告書

魚類の始原生殖細胞の操作に関する細胞工学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 14360105
研究機関北海道大学

研究代表者

山羽 悦郎  北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 助教授 (60191376)

研究分担者 吉崎 悟朗  東京海洋大学, 海洋科学部, 助教授 (70281003)
平井 俊朗  帝京科学大学, 理工学部, 助手 (30238331)
荒井 克俊  北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 教授 (00137902)
キーワード生殖系列キメラ / 始原生殖細胞 / PGC / 異種間キメラ / GFP / nos 1 / 生殖細胞質 / vasa
研究概要

1)スズキ目魚類シロウオとウキゴリのPGCsの起源と動態を、vasa mRNAに対するwhole mount in situ hybridizationと組織学的観察により明らかにした。
2)生殖系列キメラを誘導するために同種間あるいは異種間でPGCsを含む胞胚期の胚盤断片の移植を行なった。その結果、同種間では供与体の胚細胞がホスト内で分散し、供与体のPGCsはキメラ個体の生殖隆起へ到達した。異種間での移植では、ドナー胚細胞がホスト内で分散した場合には供与体PGCsはキメラ個体の生殖隆起へ到達した。
3)生殖系列に特異的な遺伝子vasaあるいはnos1の3'末端非翻訳領域と緑色蛍光蛋白遺伝子を接続したキメラRNAを注入することで、ニシン、サケ科魚種、コイ目魚種、スズキ目魚種のPGCsがGFP蛍光で可視化された。
4)可視化したPGCsを同種の異時胚へ移植した結果より、PGCsは生殖隆起への移動過程で分化を進めていることが明らかにされた。
5)胚盤移植では誘起できなかった生殖系列キメラを誘導するため、可視化したPGCsを異種間での異時的な移植を行なった。その結果、少なくともコイ目の魚種間では、ドナーPGCsが宿主の経路に沿って移動し、宿主魚種の生殖隆起に到達した。このことからPGCsの移動機構は少なくともコイ目の魚種間では保存されているものの、系統的に遠い関係に有る場合は、移動様式あるいは発生速度の違いにより、供与体PGCsの移動が宿主の制御から逸脱するものと考えられた。
6)vasa-GFP遺伝子導入ニジマスから単離した生殖隆起を酵素的に分散した後、GFP蛍光強度に加え、前方散乱光、および側方散乱光を指標に用いることで、高純度かつ高生残率の始原生殖細胞を回収する技術を確立した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 吉崎悟朗: "始原生殖細胞を用いた魚類の発生工学"BIO INDUSTRY. 21. 29-37 (2004)

  • [文献書誌] Kobayashi, T.: "Isolation of highly pure and viable primordial germ cells from rainbow trouto by GFP-dependent flow cytometry."Mol.Reprod.Dev.. 67. 91-100 (2004)

  • [文献書誌] Kusuda, S.: "Pluripotency of cryopreserved blastomeres of the goldfish."J.exp.Zool.. (In press).

  • [文献書誌] Hashimoto, Y.: "Requirement of localized maternal factors for zebrafish germ cell formation."Dev.Biol.. (In press).

  • [文献書誌] Kobayashi, T.: "Cryopreservation of trout primordial germ cells."Fish Physiol.Biochemist. (In press).

  • [文献書誌] Yoshizaki, G.: "A novel tool for fish bioengineering."Fish Physiol.Biochemist.. (In press).

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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