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2002 年度 実績報告書

有明海における貝類の激減と環境汚染物質に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14360112
研究機関九州大学

研究代表者

本城 凡夫  九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (80284553)

研究分担者 大嶋 雄治  九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (70176741)
島田 秀昭  熊本大学, 教育学部, 助教授 (40226212)
キーワード有明海 / 二枚貝 / 化学物質 / 汚染
研究概要

平成14年9月に、有明海柳川市地先干潟においてアサリ、タイラギ、サルボウを大量に採取するとともに、棲息地点の泥を採取した。研究室に持ち帰った後、貝は解剖・ホモジネートし、分析試料を調製した。現在前記試料について、内分泌かく乱物質として有機スズ(TBT)およびPCBsの分析を進めている。TBTは有機溶媒で抽出した後、アルカリ分解して脂肪分を除去し、フロリジルカラムで精製後GC/MSにて分析中である。PCBsも同様に有機溶媒で抽出、シリカゲルカラムで分離後・硫酸分解を行いGC/MSにて分析中である。重金属(Zn, Bo, Fe, Mn, Pd, Cd, Hg)について、試料を酸分解し原子吸光法にて定量を行った結果,顕著な汚染はなかった。
10年ほど前からノリの養殖に使用されるプラスチック製ポールに、以前はTBTが塗布されていた。現在は代わりの新規防汚剤としてトリフェニルボロン、ジンクピリチオン、除草剤系物質等が塗布されていると推察される。有明海では、毎年ノリヒビ用支柱が約400万本使われており、それらに塗布されている防汚剤が溶出して、貝へ影響を与えている可能性が高いと考えられた。よって、今年度はトリフェニルボロンの分解、分析法の確立およびその毒性について調べた。その結果、トリフェニルボロンはHPLC/MSにて分析可能なこと、本物質は非常に分解性が高い(1日以内)が、最終分解物も海産線虫に対して毒性を有していることが明らかとなった。
さらに,TBTが二枚貝の再生産に及ぼす影響を明らかにするため。アコヤガイにTBTを急性致死濃度以下(1g/L)で1週間暴露して、人工授精を行った結果、その卵においてD型幼生の発生が阻害されることを解明した。また、正常な卵にTBTを暴露した結果、D型幼生への発生も阻害されることが判明した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 井上 英, 大嶋雄治, 今田信良, 本城凡夫: "北部九州とその周辺水域におけるトリブチルスズ汚染"日本環境毒性学会誌. 5 :. 43-50 (2002)

  • [文献書誌] 大嶋雄治, 井上英, 島崎洋平, 仲山 慶, 本城凡夫: "沿岸域におけるトリブチルスズ汚染の現状と魚介類への影響"海洋と生物. (印刷中). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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