研究課題/領域番号 |
14360114
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
中村 將 琉球大学, 熱帯生物研究センター, 教授 (10101734)
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研究分担者 |
小林 亨 独立法人水産総合研究センター, 主任研究員 (30221972)
平井 俊朗 帝京科学大学, 理工学部, 助手 (30238331)
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キーワード | 性分化 / 卵巣分化 / 精巣分化 / エストロゲン / アロマターゼ / 性転換 / ティラピア / 芳香化酵素阻害剤 |
研究概要 |
これまでにティラピアの生殖腺分化過程における性分化に関連した遺伝子を明らかにするために、エストロゲンあるいはアンドロゲンによる性転換誘起によって発現の増加、減少する遺伝子産物を最終的に18個、得た。精巣、卵巣分化誘起に伴って発現の増加するものとして、DMRT1、アロマターゼを同定した。さらに、卵巣分化に伴って発現の増加する遺伝子として新たにFoxl2が同定された。Foxl2の発現は、卵巣に特異的にみられ、卵巣分化に伴って間充織細胞、ステロイド産生細胞に局在した。また、濾胞形成にともなって顆粒膜細胞にもみられた。Foxl2によるアロマターゼ発現の転写調節活性化能を調べたところ、その発現が促進されることが明らかとなった。 遺伝的全雌群に対して合成雄性ホルモン(MT)ならびに雌性ホルモン合成阻害剤(Al)を投与し、雄への性転換を誘導する際に発現が変化する遺伝子を改変ディファレンシャルディスプレー法により検索した。発現遺伝子の比較は性分化途上と考えられる処理開始12日目と、性決定直後と考えられる30日目の試料について行った。その結果、処理開始12日目で両薬剤処理とも発現が低下する遺伝子を21個、上昇するものを16個単離した。一方、処理開始30日目では低下するものを19個、上昇するものを14個単離した。さらに合成雄性ホルモンと雌性ホルモン合成阻害剤に対して異なる反応を示した遺伝子も単離した。
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