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2003 年度 実績報告書

藍藻由来の鉄キレート物質(シデロフォア)の探索と鉄取り込み機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14360120
研究機関共立女子大学

研究代表者

村上 昌弘  共立女子大学, 家政学部, 助教授 (70134517)

研究分担者 岡田 茂  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (00224014)
キーワード藍藻 / 鉄 / シデロフォア / ニトロゲナーゼ / アオコ / アナケリン / シゾキネン / オシラバクチン
研究概要

鉄は全ての生物において必須な金属原子であるが、近年、水中の鉄濃度が微細藻類の消長に強く関わっているとして微細藻類の鉄獲得機構が注目されている。原核生物である藍藻類は、酸素発生型の光合成以外に鉄酵素nitrogenaseを用いて窒素固定も行うため、過剰の鉄が必要とされる。藍藻類もシデロフォアによる鉄獲得機構を備えるとの報告が過去に数例あり、湖沼での藍藻ブルーム形成の一因は、シデロフォアによる鉄の独占によるとの推測もなされているが、詳細は不明である。これらの観点から藍藻類のシデロフォア産生能の評価およびその化学的性状に関する研究を行い、以下の成果を得ることができた。
1.窒素固定種の代表種であるA.cylindrica NIES-19を鉄欠乏合成培地中で大量培養し、培地上清よりODSカラムおよび逆相HPLCを用いて2つのシデロフォアanachelin-2およびanachelinを単離できた。両物質の構造を1次元および各種2次元NMR解析、MS分析、アミノ酸分析を用いて決定した。
2.A.variabilisは嫌気下においては栄養細胞内にnitrogenaseを発現させる特異なヘテロシスト形成種である。そこでA.variabilisの産するシデロフォアの単離・構造決定を行った結果、A.variabilis M-204およびヘテロシスト不形成変異株であるNIES-23の両株のシデロフォアは、ヒドロキサム酸系の既知シデロフォアschizokinenであることが判明した。
3.O.tenuis UTEX1566を鉄欠乏培地中で通気培養を行い、濃縮したろ液からoscillabactin Aを単離することができた。構造はMSおよび各種NMRスペクトル解析により構造決定した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 伊藤裕才, 村上昌弘: "藍藻類のユニークなシデロフォア-修飾された脂肪酸やキノリンアルカロイドを含む点に注目-"化学と生物. 41. 289-291 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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