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2004 年度 実績報告書

麻ひ性貝毒原因渦鞭毛藻の増殖・毒生産と栄養環境適応機構の関係

研究課題

研究課題/領域番号 14360123
研究機関北里大学

研究代表者

緒方 武比古  北里大学, 水産学部, 教授 (00104521)

研究分担者 小池 一彦  北里大学, 水産学部, 講師 (30265722)
小檜山 篤志  北里大学, 水産学部, 講師 (60337988)
キーワード麻ひ性貝毒 / 渦鞭毛藻 / 混合栄養 / アミノ酸 / Alexandrium / 貝類養殖 / 毒生産 / 生長
研究概要

1.麻ひ性貝毒(PSP)は近年東南アジア各地などでも顕在化し、保健衛生上のみならず、水産業振興においても問題となっている。これらの海域は、水温環境のみならず塩分や光環境においても、我が国などとは変動傾向が大きく異なる。従って、栄養環境への適応にも違いのあることが予想される。そこで、これらの海域におけるPSP原因渦鞭毛藻を対象に、まずこれらの環境適応能を検討した。その結果、Alexandrium minutumは高い環境適応能を示すのに対し、A.tamiyavanichiiは比較的狭い環境条件下でのみ増殖可能であることなどが明らかとなった。また、に関してはA.minutumの毒生産は光強度の影響をほとんど受けないことも判明した。
2.昨年度、ホタテガイの飼育海水がA.tamarenseやA.catenellaの生長や毒生産を促進することを示唆するデータを得た。そこで、本年度はこの効果がどのような機構によるものか、また自然環境下でも同様の現象が起こっているか否かについて検討した。その結果、ホタテガイの飼育海水には排泄物に由来する高濃度の無機態栄養塩やアミノ酸等が存在し、これらが微細藻類の生長を支え、有毒渦鞭毛藻の毒生産を促進する主要因になっていることが判明した。また、ホタテガイ養殖域より採取した海水は非養殖域のそれに比べて顕著な生長と毒生産促進効果をA.tamarenseに対して示した。このことは、養殖域付近には局在的に微細槽の栄養成分が集中していることを示唆するものである。
3.A.tamarenseのアミノ酸利用様式をその選択的利用性を対象に検討した結果、同種には各アミノ酸に特異的なトランスポーターが存在し、これらがその利用に重要な役割を果たしていることが予想された。また、これらトランスポーターはアミノ酸利用時に活性化される可能性も示唆された。
4.A.tamarense細胞内に高いPSP成分結合能を持つタンパク質が存在することを明らかにするとともに、PSP結合タンパクの精製にも成功し、これらのアミノ配列を明らかにするための準備も整えることができた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005 その他

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] First report of Alexandrium taylori and Alexandrium peruvianum (Dinophyiceae) in Malaysia waters.2005

    • 著者名/発表者名
      Lim Po Teen
    • 雑誌名

      Harmful Algae 4・2

      ページ: 391-400

  • [雑誌論文] Salinity effect on growth and toxin production of four tropical Alexandrium species (Dinophyceae).

    • 著者名/発表者名
      Lim Po Teen
    • 雑誌名

      Toxicon (In press)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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