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2004 年度 実績報告書

農業試験研究組織の再編と農業技術開発・普及に関する国際比較

研究課題

研究課題/領域番号 14360125
研究機関北海道大学

研究代表者

近藤 巧  北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (40178413)

研究分担者 長南 史男  北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (00113697)
志賀 永一  北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (50235511)
茅野 甚治郎  宇都宮大学, 農学部, 教授 (40163729)
原田 淳  宇都宮大学, 農学部, 助教授 (30241847)
キーワード技術進歩 / スピルオーバー / 農業試験研究
研究概要

本研究では、農業技術知識の蓄積とその普及による農業の技術革新・進歩を明らかにすると共に、農業試験研究制度のあり方に一定の示唆を与えることを課題とした。農業の場合、技術の公共財的特質ゆえ、民間部門の試験研究活動を誘発する経済的インセンティブが乏しく試験研究活動は公的機関によって担われることになる。日本における試験研究活動を農業研究費・人員についてみると、民間部門も徐々に増えてきているが、大部分は公的機関によっている。農業技術知識の蓄積は、試験研究が直接的効果とスピルオーバー効果に大別される。東北農区を対象に各県の公的機関の試験研究費を用いた技術知識ストックを作成し、自県の農業の総要素生産性(TFP)に対する自県の技術知識ストックと、他県の知識ストックの影響を検証した。計測結果は、両者ともに正で有意な結果を示し、自県の試験研究および他県からの技術のスピルオーバーによりTFPが向上していた。ヨーロッパ諸国の中でも、オランダ、デンマーク、フランス、ベルギーは農業技術進歩の高成長クラブに属している。これらの諸国は地理的に近接し農業が営まれる環境は比較的同質である。これらの諸国においては、主として民間部門からの農業技術移転をはじめ、研究成果のスピルオーバーがTFPの成長にとってきわめて重要な役割を果たしている。ドイツ、ルクセンブルク、ギリシャ、イタリア、アイルランド、英国は低成長クラブに属する。英国は1980年代の研究費削減によって低成長クラブに低落した。高農業成長クラブとの技術距離が大きいために他の諸国からのスピルオーバーを期待できない事も一因である。農業生産性は一国の試験研究活動のみならず、国際的な知識資本ストックのプールにも依存している。このことは、公的農業試験研究機関の協調関係の構築や民間部門と公的部門とのコラボレーションによって試験研究活動の効率を改善できることを示唆している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] イチゴ新品種「とちおとめ」の普及における部会組織内の情報流2004

    • 著者名/発表者名
      原田 淳
    • 雑誌名

      宇都宮大学農学部学術報告 19(1)

      ページ: 17-22

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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