研究課題/領域番号 |
14360127
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
小野 雅之 山形大学, 農学部, 教授 (90224279)
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研究分担者 |
安部 新一 宮城学院女子大学, 学芸学部, 教授 (30326730)
木立 真直 中央大学, 商学部, 教授 (10224982)
藤田 武弘 大阪府立大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (70244663)
中安 章 愛媛大学, 農学部, 教授 (20145064)
坂爪 浩史 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (80258665)
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キーワード | 小売業のグローバル競争 / スーパーの生鮮食品調達 / 生鮮食品マーチャンダイジング / 卸売市場の変容 / 国内産地の対応方向 |
研究概要 |
1.本研究の目的は、小売業のグローバルな大競争のもとでの生鮮食品マーチャンダイジングを、規模別、業態別、地域別に調査、分析することによって、その特徴と展開方向を類型論的、動態的に解明するとともに、今後の生鮮食品流通に与える影響について検討することにある。 2.平成16年度には、研究メンバーによる研究打合せ、合同調査を2回(7月:福岡県福岡市-研究打合せ、11月:群馬県沼田市-研究打合せ、野菜産地、卸売市場調査)行うとともに、前年に引き続き台湾の野菜産地、卸売市場、スーパーの調査を行った。また、各研究分担者が、それぞれの地域のスーパーや青果物産地の調査を実施した。 3.これらの調査研究によって明らかになったのは次の点である。 (1)1990年代に大規模店舗が大幅に増加するなかで、1990年代半ば以降わが国小売業がオーバーストア状態になっており、消費不況による影響とあいまって業態間、チェーン間の競争が激しくなっている。そのなかで、経営不振による廃業、倒産や吸収合併などスーパー業界の再編が急速に進んでいる。そのなかで、食品スーパーを主業態とするリージョナル、チェーンは比較的検討しており、GMS業態をとるナショナル、チェーンも生鮮食品部門の強化を進めている。 (2)スーパーのマーチャンダイジングに対応した納入体制をとるために、卸売市場ではセリ取引の減少や形骸化、商物分離、卸売市場間の競争と拠点市場への集中化など、卸売市場制度の変容が進んでおり、それが卸売市場法改正の背景になっている。 (3)産地段階においても、輸入生鮮食品の増加によって国産生鮮食品の市場が縮小するなかで、朝取り野菜の出荷や契約取引、産地プリ、パッケージなどスーパーのマーチャンダイジングに対応した生産、出荷体制への再編が進んでいる。 (4)以上のように、ナショナル・チェーン、リージョナル、チェーンともに生鮮食品部門をマーチャンダイジングの重点部門として位置づけて、業態間、チェーン間競争のなかでその強化を図ってきたことが、卸売市場段階や産地段階へも波及し、政戦食品流通全体の変容をもたらしてきていることを明らかになった。
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