研究課題/領域番号 |
14360132
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
甲斐 諭 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (70038313)
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研究分担者 |
中嶋 康博 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (50202213)
佐々木 市夫 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (70125384)
中原 准一 酪農学園大学, 環境システム学部, 教授 (60048121)
早川 治 日本大学, 生物資源科学部, 助教授 (00096885)
松田 友義 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (70159151)
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キーワード | 畜産フードシステム / 安全性確保 / HACCP / トレーサビリティシステム / 費用対効果分析 |
研究概要 |
本研究では、我が国と世界の各地で頻発している畜産物の安全性を脅かしている原因とその対策としての検査体制の構築、HACCP導入に関する情報を世界各地から入手して、世界の畜産フードシステムの安全性に関する経済分析を行っている。 本年度はデンマーク、アメリカでの調査を実施した。 1.BSEの発祥国であるデンマークの関係政府機関、畜産関係諸団体の専門家から聴き取りを行い資料を収集した。この国においては、農場から農場への全ての家畜の移動は行政の管理する中央家畜データベースに登録され農場段階のトレーサビリティシステムは完備している。最近では、と畜場やカット工場においても個々にトレーサビリティーシステムを導入した施設が増えている。BSE対策として徹底的な防疫対策(動物性タンパク質の使用、特定危険部位の除去、畜産副生物の取り扱い)、管理対策(グループ別検査体制)、撲滅対策(BSE感染牛と同一農場や同一の餌を給餌された牛の処分等)が実施された。この成果として2000年2月に国内初のBSE感染牛が発見されたが、混乱は夏までに沈静化し、2002年8月には牛肉の価格水準は以前と同等にまで回復している。 2.アメリカ合衆国では既にリスクの高いと思われる商品を生産する分野、食肉産業・水産業等においてHACCP導入が義務づけられており、食品の安全性を確保する基盤として機能している。導入は1996年から3カ年計画で、大規模企業から導入を進め、既に小規模企業にまで適用範囲が拡大されている。またアメリカにおいてはBSEが発生していないせいか安全性への関心は微生物汚染が中心である。青果物に対してもQTV(Qualified Through Verification)プログラムが進行中である。
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