研究課題/領域番号 |
14360137
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
井上 京 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (30203235)
|
研究分担者 |
中村 和正 独立行政法人北海道開発土木研究所, 農業開発部, 副室長
山本 忠男 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (00312398)
柏木 淳一 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (40241369)
北川 巌 北海道立中央農業試験場, 農業環境部, 研究職員
|
キーワード | 暗渠 / 排水 / 機能評価 / 圃場 / 農地 / 畑地 / 透水性 |
研究概要 |
暗渠の機能・効果を秤価する簡便かつ客観的な手法が求められている。 井上と山本は、累加降雨量と暗渠の累加流出量の関係から暗渠の性能障害を把握するとともに、渠央部と暗渠直上の水位関係から暗渠に向かう動水勾配を求め、これらから暗渠の排水機能を指標化した。また暗渠管内部の清掃前後の流出量比較から、不良要因が管内部にあるのか周辺土壌にあるのかを推定できるとした。そしてこれら方法を体系化し、暗渠の排水機能を評価する際の診断手順をフロー図として提案した。 柏木は暗渠を敷設した草地における土壌中の水移動特性と排水改良効果について検討した。基層のグライ層の飽和透水係数が10^<-6>cm s^<-1>と著しく小さいため、下方への浸透は期待できず、余剰水の排水は暗渠に向かう側方流が主体となっていた。作土(深さ0〜30cm)の相対ガス拡散係数に基づいて排水効果を評価したところ、暗渠より遠いほど排水不良が解消されておらず、特に暗渠管から5m離れた作土では観測を行った50%の期間、根が生育できない基準値を下回っていた。 中村は水田転換端における暗渠間の地下水位を推定するシミュレーション手法を、前年度の泥炭土壌圃場に引き続き、重粘土圃場に適用し、実用上十分な精度で透水係数を推定した。この手法は、簡便な1次元シミュレーションである。ただし、地下水位の勾配の大きな暗渠近傍の地下水位推定精度の向上が必要であることがわかった。 北川は暗渠の施工管理指標設定のため、土壌水分による埋戻し管理を行い、施工前後のほ場や暗渠排水の状況を、土性区分毎に土壌物理性の点から調査し、次の結果を得た。(1)低地土では埋戻し部の容積重が増加したが粗間隙の変化は少ない。火山性土では粗間隙の減少が起こり土壌圧縮の影響が強い。粘質土では練返し、中粗粒質土では圧縮の影響が大きい。(2)整備時の水分差による整備後の排水状況は、低地土で高含水比での施工により排水性が低下しやすい。
|