研究課題/領域番号 |
14360139
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
佐藤 政良 筑波大学, 農林工学系, 教授 (70021722)
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研究分担者 |
広田 純一 岩手大学, 農学部, 教授 (00173287)
三輪 弌 岩手大学, 農学部, 教授 (30107180)
佐久間 泰一 筑波大学, 農林工学系, 講師 (10133589)
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キーワード | 水田灌漑 / 水管理 / 農民参加 / 用水配分 |
研究概要 |
昨年に引き続き、茨城県小貝川水系の福岡堰用水において、水位計の設置による水収支観測を実施し、全体の受益面積のおおよそ半分に相当する上流部に於ける農業用水の取水量を連続観測するとともに、地区内用水配分状況も把握した。また、取水量に対する水田還元水量を大観測地区と小観測地区の両方において実測し、取水量に対する排水量の関係を観測した。土地改良区の管理体制を、総代選出の単位という視点で、集落との関係を調べ、用水管理における話し合い調整の単位について調べた。また、岩手県北上川水系胆沢川の胆沢平野土地改良区において、幹線用水路から支線用水路、末端水路に至るレベル別の管理体制を、土地改良区と農民の責任区分という観点から調査し、資料を整理した。また各団体における活動内容、用水配分調整の現状を整理した。 タイ国においては、チャオプラヤ川上流部における伝統的農民水管理組織の調査を行うとともに、近代技術導入の影響を検討した。比較的小規模なものに限られるが、農民自身による純粋な参加型水管理が、ルールに基づく代表者選挙、受益に基づく費用の賦課と徴収、水配分操作、違反者に対する罰則など、基本的に日本とかわらないシステムを導入していることを確認した。 ベトナムにおいては、昨年度における紅河流域との比較を行うため、メコン河下流デルタ地帯の水利開発、利用のシステムを調査した。大河川の潮汐を利用した広大な面積の開発には、基幹施設としての幹線水路の開発と、それにつながる小規模水路の組み合わせが必要であり、小規模水路については関係農家による協同的水管理が見られる。しかし、北部と比較して相対的に水不足問題は重要ではないものの、施設の維持管理の面では農民参加が必要になっている。
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