研究課題/領域番号 |
14360139
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
佐藤 政良 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (70021722)
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研究分担者 |
佐久間 泰一 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (10133589)
三輪 弌 岩手大学, 農学部, 教授 (30107180)
広田 純一 岩手大学, 農学部, 教授 (00173287)
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キーワード | 水田灌漑 / 水管理 / ベトナム / タイ / 用水量 / 農民参加 |
研究概要 |
ベトナム、タイ両国における灌漑用水管理に、受益者である農民がどのように関わりを持ち、組織的に参加しているかについて、現地調査を中心に情報を集め、整理した。タイ国では、北部タイ地域のムアンファイと呼ばれる伝統的灌漑システム地域、およびそれらの地域に対して近代的な灌漑事業が実施されたメクワン灌漑事業地区を捉え、その管理への農民参加の現状から、どのように農民参加の制度的なシステムの構築が望ましいのかについて、検討を行った。ムアンファイでは、厳しい自然的地形的条件の下で、一切の公的支援なしに、統制のある施設の維持管理活動を実施している背景には、その費用負担について合理性を持つ方式が採用されていることが解明された。ベトナムにおいては、メコン河および紅河のデルタで調査を行い、低湿地域における輪中方式という環境条件での用水管理方式について検討を行った。その結果、デルタ地域ではそのように低い場所にある水を水田の位置まで揚水するかが重要な問題であり、その一つの方法として紅河デルタにおける機械揚水式灌漑を取り上げた。そこでは一般的に、システムレベルは灌漑管理会社IMC(公的機関)が管理し、末端部分は農業組合(農民参加が可能)が管理する方式が一般的である。しかし、市場経済化を進めるベトナムでは現在、IMCが十分に機能せず、仕方なくという形で、末端の組合および村、集落が維持管理活動に関わるという形態を取っている。そのため、上流と下流で農民の用水利用可能量に差が生じている。
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