研究概要 |
パイプライン水撃解析・時間補間特性直線法を対象に,非粘性条件,定常振動の境界条件を与えて、既存の手法である無限領域での線形安定性解析を有限領域で境界条件を組み入れ可能な安定性解析へと拡張し,時間補間特性直線法の補間誤差の厳密な評価法を導出した。 具体的には,(1)種々の格子、時間補間について、誤差を記述する複素増幅因子に関する特性多項式を連立差分方程式の固有値問題から導き、無限領域に対する安定性解析から得られる特性多項式との関係を振動論の立場から理論的に解明できた。 (2)一方,単一管路を対象に,膨大な記号計算を必要とする固有値問題に依存せず、一般的に簡明に特性多項式を導く方法を理論的に解明した。また,この方法をシステムへ拡張する方法論を明らかにした。 (3)単一管路、分岐管、13の管路からなる樹枝状ネットワークなどを対象に,特性多項式の解から数値誤差を算定、定常振動の理論解と実際の数値計算から誤差評価の妥当性を検証した。 (4)格子数の増大とともに精度は高まるが、逆に,格子数1の計算では誤差が最大になる。誤差を最大化して,全ての振動成分素早く減衰させる大規模パイプライン定常流解析手法の理論的根拠が明確となった。
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