研究概要 |
(1)平行平板モードを利用した2方向ロードセル(H14年度開発済み)を装着できる極めて低剛性のφ150mmたわみ性模型パイプ(アルミ製,管厚1.0mm)を設計制作した. (2)上記のたわみ性模型パイプとH14年度作成した,中剛性たわみ性模型パイプ,〓150mmの従来型底樋模型パイプを用いて,鋼板製土槽を用いた模型埋設実験をおこない,特に沈下時挙動特性に関して検討した. 実験条件はH14年度と同様で,地盤条件は乾燥密度1.33g/cm^3の緩詰条件とした.上載荷重は,最大85Kpaとした. (3)また,埋戻し過程ならびに上載圧載荷過程において,従来型ため池底樋(〓断面の剛性パイプ),中たわみ性パイプ(t=2.0mm)ならびにたわみ性パイプ(t=1.0mm)に作用する土圧の大きさとその方向を解明するため,実験手順に沿った有限要素非線形解析を実施した.解析においてパイプと周辺地盤の摩擦に関しては,一面せん断試験結果より2次のジョイント要素を用いて評価した. (4)さらに,沈下時挙動を解明するために,大変形問題を考慮できる個別要素解析プログラムを改良し,各模型パイプの沈下実験のシミュレーションを行った. その結果,以下のことが明らかになった. (5)模型パイプ側面に作用する水平方向土庄は,たわみ性管の方が矩形断面を有する剛性管よりも大きい.特に,スプリングライン近傍においては,極めてその傾向が強く,剛体構造の底樋では,水みちの発達を助長する危険を示唆する結果が得られた. (6)また,パイプの沈下時挙動室内模型試験及びDEM解析を行った結果,沈下に伴う周辺地盤のアーチ作用により,管に作用する土圧総量が大きく低下し,特に管直下部では急激に土圧が小さくなることがわかった.外圧剛性の違いにおいては,剛性の高いM管で,スプリングライン斜め下45゜位置で大きな土圧集中を招き,F管においては,縦長に変形することで比較的均一な土圧分布となった. (7)昨年度の成果は,次頁に示すとおり,米国士木学会において発表した.本年度成果についても現在投稿中である.
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