研究分担者 |
井上 英二 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (00184739)
中野 芳輔 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (60038320)
四ヶ所 四男美 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (80038265)
原口 智和 九州大学, 大学院・農学研究院, 助手 (90346833)
平松 和昭 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (10199094)
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研究概要 |
水草の存在が密度成層水域の吹送流流動に及ぼす影響を定量的に把握するために,室内水理実験を行った.そこでは,浮葉性植物を発泡スチロール板で模擬した.前年度は1枚の板を用いて模擬したが,今年度は,模擬体の揺動による影響について検討するため,小さな板を隣接させたモデルを用いた.実験水層の水面被覆率を10%に限定し,1枚,4分割,9分割の3条件で実験を行った.これらの実験条件における結果を,被覆率0%(模擬植物なし)条件の結果と合わせて,「密度界面の連行速度」および「吹送流の乱流構造」について検討を行った.4,9分割条件での「リチャードソン数と連行係数の関係」は,リチャードソン数が100以下では,被覆率0%と1枚条件の実験の中間的な値となった.また,分割数の違いによる連行速度への影響については,顕著な差異は確認されなかった.乱流構造については,リチャードソン数が約100のとき,模擬体の揺動性が増す,つまり分割数が多くなると,乱流エネルギーが大きくなる傾向が見られた. 前年度に引き続いて,浮葉性植物が熱的擾乱に伴う溶存酸素(DO)の日サイクル運動に与える影響を検討するために,現地観測を行った.観測の結果,浮葉性植物のある閉鎖性水域では,熱的擾乱のみが作用する場合,(1)植物があるところのDOは,光合成のために植物がないところに比べ高い濃度を示すこと,(2)浮葉性植物の有無に関わらず,水温およびDO濃度は日中の成層化と夜間の混合層形成の日サイクル運動を行うことが確認された.
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