研究課題/領域番号 |
14360152
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
木谷 収 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (00024539)
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研究分担者 |
キンシュック ロイ 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (10339294)
鳥居 徹 東京大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60172227)
川西 啓文 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (60139053)
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キーワード | 乾燥地 / 土壌保水材 / 炭化 / バイオマス / 有機廃棄物 / 植物 / 水環境 / 土中圧入機 |
研究概要 |
有機廃棄物やそれらの炭化物はその繊維や孔隙の間に保水することができる。摩砕や炭化等の処理によって、間隙や表面積を増やし、保水能力を変えることができる。炭化物は二酸化炭素を発生することなく、安定して土中に保存できるので、とくに地球環境問題にも好ましい影響を与えるとみられる。本研究は、これらの保水材開発とともに、保水材を土壌中に圧入する機械の試作開発を行うものである。 初年度の研究として、各種農林・食品廃棄物の摩砕または炭化処理による保水性をpFを用いて定量化する試験を行なった。また、保水材の植物生育への影響を調べた。稲藁と籾殻と故紙を摩砕処理したところ、稲藁と故紙は保水性に優れ、特に稲藁を120秒摩砕したものが、最大の保水性を示した。炭化装置によって、モミガラ、稲藁、烏龍茶かすを炭化し、ナラ木炭とともに粉砕処理して標準砂に重量比3%、5%、7%の割合で混入し、水で飽和させて重力と平衡に達してからpF試験を行った。また、その結果を基に重量比で保水材をそれぞれ5%混入した標準砂を用意し、ハツカダイコン栽培試験を行った。実験の結果、これらの材料はいずれも保水機能を持ち、特に烏龍茶炭の未破砕のものが最も保水性に富み、生長量も最大であった。 重量比で3%の保水材を土壌に混入し、オーストラリアの乾燥地にユーカリの苗を植えて、実験の準備を行った。今後、定期的に樹高と幹径を測って活着状態と生長を計測する。 保水材の土中圧入機は、検討の結果、2重オーガー方式をとることとし、設計を行い、メーカーに試作を依頼した。年度末に試作が完成したので、今後、性能試験を行って、最適オーガー回転比や調整部の諸元を決定する。
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