研究分担者 |
石川 勝美 高知大学, 農学部, 教授 (20117419)
松岡 孝尚 高知大学, 農学部, 教授 (70036739)
河野 俊夫 高知大学, 農学部, 助教授 (60224812)
江口 壽彦 九州大学, 生物環境調節センター, 助手 (40213540)
荒木 卓哉 九州大学, 農学研究院, 助手 (10363326)
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研究概要 |
植物生産は,根による養水分(水,イオン)の吸収および吸収された養水分と葉での合成産物(糖など)の各植物器官への集積に依存している.本研究では,生産現場の植物個体および個体群において,インタクトの根の物質吸収機能および収穫対象器官への師管経由と道管経由の物質集積機能の評価法を確立して,これらの機能に対する環境(塩ストレス、高温ストレス、肥料濃度、光など)の作用機作を、根の吸水,呼吸および植物体の浸透圧調節機能とも関連させて定量的に解明し,生産現場での律速要因を明らかにすることを目的としている.さらに,トマト植物において,短期間塩ストレス処理の物質吸収機能と物質集積機能への効果を解析し,短期間塩ストレス処理による高糖度トマト生産を検討することを目的としている. 1.NFT栽培トマトにおいて,海洋深層水関連物質を短期間だけ施用する塩ストレス処理をおこなった場合の,根の物質吸収,葉のガス交換および果実への物質集積に対する効果を明らかにした. 2.果実肥大最盛期の短期間(2週間)だけ,培養液の水ポテンシャルが,葉の水ポテンシャルと同程度になるように,海洋深層水を施用することによって,植物体に浸透圧調節機能を発現させ,糖や深層水由来のミネラルを果実に高濃度に集積させ,しかも尻腐れを回避できる高品質高糖度トマトの栽培が可能であることを,1段栽培だけでなく4段栽培においても実証した. 3.暖候期に生ずる根圏の高温条件の根の物質吸収機能,植物個体内の物質分配機能および根の水力学的特性に対する短期間および長期間の作用機作を明らかにした. 4.研究成果を,2編の著書,5編の原著論文および19の口頭発表などで公表した.
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