研究課題/領域番号 |
14360163
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
酒井 仙吉 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (80114487)
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研究分担者 |
今川 和彦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00291956)
青木 不学 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (20175160)
伊藤 喜久治 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (50100045)
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キーワード | 過酸化水素感受性細菌 / 発生期酸素感受性細菌 / アミノ酸オキシダーゼ / ラクトパーオキシダーゼ / 乳房炎 / 過酸化水素 |
研究概要 |
1.乳房内で細菌を殺す機構について マウスミルクにはアミノ酸オキシダーゼとラクトパーオキシダーゼが存在することを発見した。これらの酵〓はアミノ酸を分解して過酸化水素を発生すること、過酸化水素を分解して発生期の酸素を発生する。乳房炎乳〓ら分離した4種類の細菌に対し毒性を調べた。スタフィロコッカス、ストレプトコッカス、大腸菌はミルク中〓の1/10のアミノ酸オキシダーゼ濃度で増殖が抑えられた。一方、クレブシラ(肺炎桿菌)はアミノ酸オキシダーゼ抵抗性を示したが、同時にラクトパーオキシダーゼを加えると増殖が抑制された。 このことから細菌には過酸化水素に対して感受性を持つ種類と、発生期の酸素に感受性を持つ2種類に区分〓ることができ、乳房内で細菌を殺すためには乳腺が有する2種類の酵素の関与が必要であると結論した。 2.アミノ酸オキシダーゼの精製・性状解析 マウスのミルクからアミノ酸オキシダーゼを精製し、性状を明らかにした。分子量6万の分子が二量体とな〓分子量13万として存在する。アミノ酸に対する基質特異性も明らかにした。 3.牛乳中で過酸化水素を発生する機構について 牛乳中で過酸化水素が発生するか否かを調べた。そのため高感度の測定方法を採用した。牛乳中にはアミノ〓オキシダーゼが存在しなかった。しかし全く異なる酵素が過酸化水素を発生した。分子量が20万と2万の画〓に活性が認められ、マウスのアミノ酸オキシダーゼと全く異なっていた。その精製と性状の解析を行っている。 ウシ、ヤギ(反芻家畜)でも同様の結果が得られ、特有な機構と考えられる。
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