研究課題
浸透圧調節に関して、浸透圧の受容体の存在は認識されているが実体が未だ明らかでない。水チャネルのアクアポリン4が脳に多いことから、アクアポリン4(AQP4)をニワトリにおいて塩基配列の決定おこなった。その後に、AQP4の遺伝子発現を解析したところ、絶水処理により浸透圧が上昇する時に、AQP4遺伝子発現も増加することが明らかになった。また、AQP4のアンチセンスオリゴヌクレオチドを合成し、ニワトリの脳室内に投与したところ浸透圧が高くなった。以上の結果から、AQP4は浸透圧受容に関与していることが示唆され、抗利尿ホルモンの分泌にも関与してることが示唆された。今後さらに、AQP4と抗利尿ホルモンとの間にどのような機構が存在するのかを検討する必要があると考えられた。哺乳類では、浸透圧刺激によってAQP4の遺伝子発現に影響が見られないことから、ニワトリは浸透圧調節の研究に適していると考えれられた。ニューロペプチドY(NPY)は、摂食誘起に関して重要なホルモンであると考えられているが、絶水処理によっても、NPY遺伝子の発現が誘起され、NPYは水分調節にも重要な役割を果たしている可能性が示唆された。また、鳥類の抗利尿ホルモンであるアルギニンバソトシン(AVT)とNPYに何らかの関係があることが示唆され、水分調節に共同で作用している可能性が示唆された。
すべて 2005 2004
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