研究課題/領域番号 |
14360170
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用動物科学
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
河野 友宏 東京農業大学, 応用生物科学部, 教授 (80153485)
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研究分担者 |
宮野 隆 神戸大学, 農学部, 教授 (80200195)
畑田 出穂 群馬大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (50212147)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | 卵母細胞 / 核移植 / ゲノムインプリンティング / 対外培養 / 発生 |
研究概要 |
本研究では、マウスおよびブタの卵母細胞を対象とし、卵母細胞の成長過程で行われるゲノム修飾の過程を明らかにすることを目的に体外培養による卵母細胞の生産と関連付けて実施した。得られた成果は、以下の通りである。1)マウス新生仔および妊娠12.5日目胎仔から卵巣を採取し、体外培養に供試して、卵母細胞の体外培養による生産システムを開発した。胎仔卵巣は中腎とともに8日間器官培養し、ついで中腎を除去してさらに10日間器官培養した。その後、卵巣より機械的に発育した卵胞を摘出して、さらに11日間培養することにより直径60pm以上に達した卵母細胞を生産することができた。新生仔卵巣も同様に、器官培養・卵胞培養によりさらに効率に卵母細胞の生産が可能であった。2)体外生産された卵母細胞におけるインプリント遺伝子、Igf2r,Zac1、Lit1およびH19の発現調節領域におけるDNAメチル化解析を実施したところ、いずれの遺伝子も正常にメチル化を受けている卵母細胞の存在が多数を占めていることを確認した。DNAメチル化抗体、ヒストンメチル化およびアセチル化抗体を用いた解析からも確認した。さらに、核移植により卵子を再構築した後、体外受精することにより産子の生産に成功した。3)ブタにおいては、成体卵巣を薄切して、内部の卵胞を採取し、これを体外培養することにより成長した卵細胞の生産が可能であった。しかし、体外成長可能な卵母細胞は、体外培養開始時点ですでにその直径が80μm以上に発育していることが要件であった。4)卵母細胞成長過程でインプリントを受ける遺伝子の特定を進め、現在までに、27遺伝子が母方で(卵母細胞)制御を受けていることを明らかにした。卵母細胞形成過程におけるゲノムインプリンティングの重要性の一端を明らかにすることができた。
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