研究課題/領域番号 |
14360176
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎獣医学・基礎畜産学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
尾崎 博 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30134505)
|
研究分担者 |
佐藤 晃一 山口大学, 農学部, 助教授 (90205914)
堀 正敏 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (70211547)
松永 茂樹 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (60183951)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
キーワード | ステレッタマイド / 海洋天然化合物 / ファルネソール / コレステロール生合成系 / カルモジュリン / 電位依存性Caチャネル / ゲラニルトランスフェラーゼ / メタロプロテアーゼ阻害剤 |
研究概要 |
この研究は、コレステロール生合成系の中間代謝産物であるファルネソールと同じイソプレノイド誘導体である海洋天然化合物、ステレッタマイドファミリーにおける生理活性作用を検討し、その構造活性相関を明らかにし、生体内でのイソプレノイド化合物の新たな機能を解明することを目的としている。また、これらの化合物から抗癌剤、抗高血圧剤、高脂血症薬のリード化合物を見出すことを目指している。 2年間の研究期間に、ステレッタマイドAが電位依存性Caチャネル活性阻害作用とカルモジュリン阻害作用を持つのに対して、ファルネソールはCaチャネル阻害作用のみをもつことを明らかにした。ステレッタマイドAのCaチャネル阻害作用は、カルモジュリンを介した間接的抑制作用とファルネソール類似の直接作用によるものと考えられた。また、海綿にはステレッタマイドA、B、Cの他にステレッタディンA、ステレッタゾールA、B、Cなど多数の誘導体が含まれることが明らかになった。これらの構造活性相関に関する研究からステレッタマイドファミリーのカルモジュリン阻害作用発現にはアルカロイド部位の電荷数とイソプレノイド鎖の長さ、アルカロイド部位とイソプレノイド鎖の立体配置が重要であることが示唆された。 一方、本研究はファルネソールが生体内でタンパク質のゲラニル化やファルネシル化などの修飾に重要な機能を担っていることに着目し、海洋天然物の中でこれらのタンパク質のゲラニル化やファルネシル化を抑制する化合物の探索をおこなった。ゲラニルトランスフェラーゼタイプI阻害剤としてコルティカティックアシッドD、Eならびにマサディンを見出した。また、メタロプロテアーゼ阻害剤としてアジェラディンAやオクタデナニルサルフェートを見出した。これらの化合物の発見は新たな抗癌剤、抗高血圧剤、高脂血症薬のリード化合物としての可能性を秘めている。
|