• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

造血幹細胞移植の獣医学領域への適応に向けた基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 14360180
研究機関大阪府立大学

研究代表者

杉浦 喜久弥  大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助教授 (30171143)

研究分担者 熊谷 大二郎  大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助手 (70316016)
稲葉 俊夫  大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 教授 (00137241)
キーワード造血幹細胞 / 低比重細胞分画 / 小麦胚芽凝集素(WGA) / 造血コロニー形成細胞 / 骨髄破壊性前処置法 / 骨髄非破壊性前処置法 / ドナーリンパ球輸注
研究概要

1.イヌ骨髄中の造血幹細胞のisolationおよびcharacterization
パーコール(percol:比重1.139/ml)の等張的不連続比重勾配遠心により、イヌ骨髄細胞を比重によっていくつかに分け、各比重分画における細胞の造血能および分化抗原の発現について検討した。イヌ骨髄細胞を異なった比重を持つ80%、70%、60%、50%および40%パーコール溶液によって分取して、メチルセルロース培地における造血コロニーの形成を検討したところ、50%パーコール溶液中に分取される低比重細胞(全骨髄細胞数の7〜5%)中に全骨髄細胞における85〜90%の造血コロニー形成細胞(多能性コロニー、顆粒球コロニー、赤血球コロニー)が含まれていた。また、ヒトの造血幹細胞の細胞表面抗原であるCD34を発現する細胞の割合が、10〜17%であった(全骨髄細胞中での割合は、2〜3%)。さらに、50%パーコール分画の細胞を小麦胚芽凝集素(Wheat germ agglutinine : WGA)の細胞表面の糖鎖への親和性により、2つの細胞集団(WGA^<high>およびWGA^<low>)にCell Sorterを用いて分別すると、WGA^<high>細胞集団にのみ造血コロニー形成細胞が含まれていた。
2.イヌの骨髄移植における前処置法および生着促進法の検討
1)前処置法の検討:移植された骨髄細胞がレシピエントに生着するためには、移植前にレシピエントの造血能および免疫能を排除(あるいは抑制)する必要があるが、レシピエントにたいして毒性が低く、効率的に排除(あるいは抑制)する方法を検討することが重要である。この前処置法には、total body irradiation(TBI)、busulfan(BU)などレシピエント内の造血細胞の排除を主体とする骨髄破壊性前処置法とfuldarabin(Flu)、cyclophosphamide(CY)など末梢の免疫細胞の排除あるいは抑制を主体とする骨髄非破壊性前処置法があるが、これらの組み合わせを検討した。その結果BU(10mg/Kg/day X 2days)+CY(30mg/Kg/day X 2days)+TBI(5Gy)の組み合わせとBU(10mg/Kg/day X 2days)+CY(30mg/Kg/day X 3days)の組み合わせを用いた場合に移植骨髄の生着が認められた。
2)生着促進法の検討:移植骨髄細胞の生着促進効果が報告されているドナーリンパ球輸注(Donor-Lymphocyte-transfusion : DLI)を試みたところ、骨髄移植後、早期(10日以前)に行った場合、その後の末梢血白血球数の増加が認められた。輸注したドナーのリンパ球数が多ければ、末梢血白血球数の増加率は、より高まったが、その後移植片対宿主反応などの障害が認められた。今後、輸注リンパ球に低線量の放射線照射を行うなどの移植片対宿主反応予防のための処置を検討していく予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Hirosh Iwai et al.: "Correlation between accelerated presbycusis and decreased immune functions."Experimental Gerontology. 38・3. 319-325 (2003)

  • [文献書誌] Tomoo Yoshimura et al.: "Analyses of dendritic cell subsets in pregnancy."American Journal of Reproduction Immunology. 50・2. 137-145 (2003)

  • [文献書誌] Shingo Hatoya et al.: "Expression of estrogen receptor alpha and beta genes in the mediobasal hypothalamus, pituitary and ovary during the canine estrous cycle."Neuroscience Letters.. 347・2. 131-135 (2003)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi