研究課題/領域番号 |
14360180
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
杉浦 喜久弥 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助教授 (30171143)
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研究分担者 |
稲葉 俊夫 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 教授 (00137241)
熊谷 大二郎 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助手 (70316016)
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キーワード | イヌ / 造血幹細胞 / 多能性造血コロニー形成細胞 / 小麦胚芽凝集素(WGA) / Rhodamine123 / 比重分画 / セルソーティング |
研究概要 |
イヌ骨髄中の造血幹細胞の分離精製および特性の解析 目的:イヌにおける白血病の診断や治療などの臨床応用をめざし、イヌ骨髄中の造血幹細胞の分離精製を試み、得られた細胞の特性解析を行った。材料および方法:ビーグル種成犬を用いて、全身麻酔下で大腿骨または腸骨から骨髄細胞を吸引採取した。骨髄細胞はPercollの比重液を用いた不連続比重勾配遠心によって、比重の異なる細胞集団に分画し、さらに小麦胚芽凝集素(Wheat Germ Agglutinin : WGA)の結合性やRhodamine123 (Rh)の染色性に基づきセルソーターを用いて分画した。分画した細胞の造血能は、メチルセルロースゲル培地での多能性造血コロニー形成細胞(CFU-GEMM)の数によって評価した。結果:骨髄細胞を比重によって分離したところ、低比重分画(Fr.2)に高い造血能が認められた。このFr.2細胞をセルソーティングによりさらに分離したところ、WGAが高い結合性を示す細胞(WGA^<high>)は、低結合性細胞(WGA^<low>)に比べ、より多くのCFU-GEMM形成細胞が集積していた(p<0.002)。さらにWGA^<high>Fr.2細胞のうち、Rhに対して低染色性を示す細胞(Rh^<low>WGA^<high>)中にさらに多くのCFU-GEMM形成細胞が集積していた(p<0.02;30細胞に1細胞がCFU-GEMM形成細胞)。ヒトの幹細胞の指標であるCD34とMHC class IIの陽性細胞率とCFU-GEMM形成細胞数との間に高い相関は認められなかった。考察:以上のことから、イヌの造血幹細胞は、低比重で、WGA高結合性かつRh低染色性の細胞であることが、判明した。また、CD34などのヒトの造血幹細胞の指標とされる表面抗原は、イヌの造血幹細胞には、特異的に発現されていないことが示唆された。本研究の結果を造血系疾患における診断治療などに応用するため、現在、分離したイヌ造血幹細胞分画の細胞(Rh^<low>WGA^<high>Fr.2細胞)をマウスに免疫してイヌ造血前駆(幹)細胞に対するモノクローナル抗体を作成中である。
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