研究課題/領域番号 |
14360184
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
岡田 啓司 岩手大学, 農学部, 助教授 (60233326)
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研究分担者 |
内藤 善久 岩手大学, 農学部, 教授 (40003785)
安田 準 岩手大学, 農学部, 教授 (20142705)
大塚 浩通 北里大学, 獣医畜産学部, 助手 (40327458)
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キーワード | 乳牛 / 代謝プロファイルテスト / 免疫プロファイルテスト / アデノシンディアミナーゼ / 乳汁 / 血液 / 初乳 |
研究概要 |
ホルスタイン種乳牛における乳汁中アデノシンデアミナーゼ(ADA)活性と免疫能との関連および周産期における血清ADA活性の変動を調べ、その臨床的意義を検討した。 (1)臨床的に健康な搾乳牛34頭の乳清中ADA活性値を測定したところ、初乳は11.9±5.0IU/Lと、常乳(0〜1.3IU/L)に比べて高値を示した。 (2)臨床的に健康な周産期乳牛10頭の乾乳前から分娩後12週の間の血清ADA活性値を1週間間隔で測定したところ、乾乳前から分娩にかけて低下し、分娩後1週間で最低値を示して再び上昇する傾向がみられた。 (3)ホルスタイン種成乳牛21頭の分娩前後の血清ADA活性値、末梢血リンパ球幼若化能と初乳中ADA活性値、リンパ球幼若化能を測定し、乳房炎の有無で分類して比較した。初乳中のADA活性は乳房炎牛21.1±8.4IU/Lと、非乳房炎牛12.7±4.0IU/Lに比べて有意な高値を示した。初乳中のADA活性値と白血球数との相関は非乳房炎牛では認められなかったが、乳房炎牛では正の相関が認められた。初乳中リンパ球幼若化能は、PHA刺激で乳房炎牛が非乳房炎牛に対して有意な高値を示し、刺激指数がきわめて高値を示した個体では初乳中ADA活性も高値を示した。分娩前後の末梢血リンパ球幼若化能は、非乳房炎牛では分娩時に低下する傾向がみられたが、乳房炎牛では低下せず、分娩時にも高い反応性を示した。分娩前後の血清ADA活性値は、乳房炎牛が非乳房炎牛に対して高値を示す傾向が認められた。 以上のことから、乳汁中ADA活性は乳汁中のリンパ球機能を反映していること、血清ADA活性は全身性の免疫能により変動することが示唆され、ADAは生化学自動分析装置で測定可能なことから、代謝プロファイルテストに免疫プロファイルとして組み込むことは可能と考えられた。
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