マストミス、ラット、マウス、ハムスターの肝臓サイトゾール分画について、ハムスター肝臓ミクロゾーム、補酵素、[3H]AFB1(アフラトキシンB1)、GSH-(グルタチオン)の存在下で反応させ、生成された[3H]AFB1-GSHをHPLCで定量することによってAFB1に対するGST(グルタチオンSトランスフェラーゼ)活性を求め、動物間および雌雄間での比較を行った。生成された[3H]AFB1-GSH量は、反応液よりSepPakC18で精製したAFB1-GSH分画を、HPLC(aminopropyl silicaに共有結合したD-phenylglycineで充填剤したchiral column)に供し、溶出液の放射能活性をHPLCに接続したflow scintilation analyzerにより連続的に測定することによって得られたAFB1-GSHのピーク面積から求めた。その結果、肝臓GST活性は、マストミスで最も高く、ついでハムスターとマウスで高く、ラットで最も低いことが認められ、AFB1の毒性に対する感受性の動物種差とよく一致していたことから、肝臓GST活性のアフラトキシン毒性における重要性が示唆された。今後、肝臓以外の臓器におけるAFB1に対するGST活性も明らかにし、アフラトキシン解毒におけるGSTの役割を究明するとともに、AFB1-aldehyde reductase活性測定系を構築し、その役割についても検討を加えていく。
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