研究課題/領域番号 |
14360189
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小野 憲一郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (50111480)
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研究分担者 |
小川 博之 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30012016)
土井 邦雄 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (70155612)
吉川 泰弘 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (80109975)
佐藤 耕太 鳥取大学, 農学部, 講師 (50283974)
松木 直章 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (40251417)
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キーワード | 加齢性脳疾患 / 神経細胞死 / 細胞内カルシウム / フリーラジカル / PET / GLUST / 糖代謝 / 血流 |
研究概要 |
平成15年度の研究計画に基づいて検討し、以下の結果を得た。 加齢性脳疾患の発症メカニズムとフリーラジカルに関する検討:培養細胞を用いてフリーラジカルと神経細胞死について検討し、細胞外からラジカルを負荷したさいには、細胞外から細胞内へのカルシウムインフラックスにより細胞死が発現することが明らかとなった。また、細胞死は電位依存性カルシウムチャンネル阻害剤で抑制されることも明らかとなった。一方、細胞内のプリン代謝を検討した結果、高エネルギーリン酸化合物はラジカル負荷により急速に減少し、ハイポキサンチン、キサンチン、尿酸へと分解され、細胞内にラジカルの産生が認められた。さらに、細胞内カルシウムの増加も認められた。 加齢性脳疾患の分子病態に関する検討:脳のMRI像とPET像を重ね合わせ、特定部位の血流、糖代謝、レセプターの動態を解析できる方法を確立した。また、一部「痴呆」症状を示す症例について検討したところ糖代謝率の低下ならびに血流量の低下が観察され、さらにアデノシンA1レセプター、ペンゾジアゼピンレセプター発現の減少も認められた。また、犬の脳におけるグルタミン酸輸送担体の遺伝子配列を決定し、一部症例ではこの遺伝子産物が減少していることを認めた。一方、各種動物における加齢性の病変を組織学的に解析したところ、野生動物を含む、多くの動物でヒトのアルツハイマー病で観察される老人斑が認められた。また血管周囲のアミロイド変性も認められた。 動物モデルの作成:てんかんモデルをラットで作成することを試み、脳内に塩化鉄を投与する方法で効率にてんかんを発現する系を確立することが出来た。
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