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2004 年度 実績報告書

イヌES細胞株の樹立と再生獣医学への応用

研究課題

研究課題/領域番号 14360191
研究機関大阪府立大学

研究代表者

稲葉 俊夫  大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 教授 (00137241)

研究分担者 杉浦 喜久弥  大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助教授 (30171143)
熊谷 大二郎  大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助手 (70316016)
谷 浩行  大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助手 (00305658)
鳥居 隆三  滋賀医科大学, 動物生命科学研究センター, 教授 (50106647)
キーワードイヌ / 卵子 / 精子 / ES細胞 / 体外成熟 / 体外受精 / 胎子線維芽細胞 / EGF
研究概要

イヌES細胞株の樹立に必須となる胚盤胞期胚を安定して供給するために、他の動物種に比べてイヌでとくに立ち遅れている体外受精の技術開発を試みた。すなわち、イヌにおける卵胞内未成熟卵子を体外で成熟させる方法、および精子の受精能獲得法について検討した。さらに、イヌ胚盤胞期胚から分離したES様細胞株の特性を解析し、以下の結果を得た。
1.若く、発情期のイヌ卵巣から良質の卵子が数多く採取できることが示された。
2.未成熟卵子をマウスあるいはイヌ胎子線維芽細胞と共培養することにより、卵子の体外成熟は促進され、体外受精には48時間培養が適していた。
3.Epidermal growth factor (EGF)は卵丘細胞に存在する自身のレセプターを介して、卵子の成熟を促進していることが示された。
4.精子の受精能獲得には、swin up法を用いて、TYH培地で3〜4時間培養することが体外受精に適していた。
5.マウスあるいはイヌ胎子線維芽細胞は体外成熟だけではなく、受精および胚の発育にも効果的であった。
6.イヌ胚盤胞期胚の内部細胞塊を分離後、マウス胎子線維芽細胞と共培養することにより、高率でES様細胞コロニーを分離することができた。本細胞はマウスやカニクイザルのES細胞と同様に強いアルカリ性ホスファターゼ活性を有しており、浮遊培養によって胚様体を形成した。また胚様体の接着培養により、神経様細胞、上皮様細胞、線維芽様細胞、および拍動する心筋様の細胞群が観察された。
以上の結果のように、胎子線維芽細胞はイヌ卵子の体外成熟だけではなく、受精および胚の発育にも効果的であることを明らかにするとともに、胎子線維芽細胞と共培養することにより、イヌ胚盤胞期胚からES様細胞コロニーを高率で分離することができた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Induction of fertile estrus in bitches by an intranasal spray of GnRH-aognist2005

    • 著者名/発表者名
      Shingo Hatoya et al.
    • 雑誌名

      The Veterinary Record (印刷中)

  • [雑誌論文] Adenomyosis with severe inflammation in the uterine cervix in a dog2005

    • 著者名/発表者名
      Hiromichi Tamada et al.
    • 雑誌名

      The Canadian Veterinary Journal (印刷中)

  • [雑誌論文] Detection of transforming growth factor-α and epidermal growth factor receptor mRNA and immunohistochemical localization of the corresponding proteins in the canine uterus during the estrous cycle2005

    • 著者名/発表者名
      Hiromichi Tamada et al.
    • 雑誌名

      Histology and Histopathology (印刷中)

  • [雑誌論文] Effect of ovarian hormones on periodical changes in immune resistance associated with estrous cycle in the beagle bitch2004

    • 著者名/発表者名
      Kikuya Sugiura et al.
    • 雑誌名

      Immunobiology 209・8

      ページ: 619-627

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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