研究課題/領域番号 |
14360197
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
篠山 浩文 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (40211958)
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研究分担者 |
坂本 一憲 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (10225807)
石川 恵子 (財)日本園芸生産研究所, 主任研究員 (20212839)
宍戸 雅宏 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (80302537)
塚越 覚 千葉大学, 環境健康都市園芸フィールド科学教育研究センター, 助手 (40270863)
宮本 浩邦 (株)日環科学, 代表取締役
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キーワード | スギ葉面 / PCR-DGGE法 / BIOLOG / スギ資源 / 菌相解析 |
研究概要 |
植物の葉面には多くの微生物が存在しており、生育環境の変化に応じて、微生物相の変化が生じていることが予想される。また、それらは、スギの分解に深く関わっていることが予想され、菌相を詳細に解析することは、スギ資源の有効活用を検討する上において重要と思われる。そこで、本研究では研究や調査が困難とされる葉面微生物の簡便かつ迅速な分析方法を考案し、日本各地に分布するスギを試料に用いて、各地域の葉面微生物相を比較することを目的とした。 スギ葉から直接DNAを抽出してPCR-DGGE法を行うことで葉面細菌相解析を試みたところ、バンドが一本のみしか検出されなかったため菌相解析には至らなかった。そこで、BIOLOGのGNマイクロプレートを使用して、スギ葉面に生息する細菌群の資化性を利用する方法で培養を試みた。その結果、ブイヨン寒天培地上では細菌の存在が観察されなかった生葉サンプルにおいても、数ウェルが発色するなどマイクロプレートの有効性が確認できた。このGNマイクロプレートの発色ウェルを利用して、DNA抽出を行い、PCR-DGGE法によりスギ葉面細菌相を観察した。その結果、一本のスギ内においては菌相が類似していることが確認できた。一方、生葉、老化葉、落葉、リターの老化段階別では老化段階が進むにつれて菌相の変化がみられた。この結果は、懸濁法を用いたブイヨン寒天平板培地の様子や、GNマイクロプレートの発色ウェルの数などからも確認できた。また、このPCR-DGGE法を用いて、地域ごとの菌相を比較した。群馬県では、一本一本の木において菌相がばらついた。一方、京都府や千葉県においては、試料採取地点が離れているにも関わらず類似した菌相が観察された。これは、スギにおける生育環境が優れているか否かの要因が関係していると考えられた。
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