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2004 年度 実績報告書

新技術による野生動物の生息地利用とその保全のための応用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14360198
研究機関東京大学

研究代表者

高槻 成紀  東京大学, 総合研究博物館, 助教授 (00124595)

研究分担者 青井 俊樹  岩手大学, 農学部, 教授 (70125277)
鳥居 春巳  奈良教育大学, 自然環境教育センター, 助教授 (40273825)
キーワードGPS発信機 / ニホンジカ / ニホンカモシカ / イノシシ / 行動圏 / 農林業被害
研究概要

所期の目的を達成するために8台のGPS電波発信機を購入し,2台を岩手県のニホンカモシカ(以下カモシカ),2台を金華山島のニホンジカ(以下シカ),2台を富士山のシカ,2台を宮崎県のイノシシに装着することとした.このうちニホンカモシカは1頭の捕獲に成功し発信機を装着した.金華山のニホンジカは2頭の捕獲・装着に成功したが,自動脱落装置は作動せず,1頭は再度捕獲して発信機を回収した(もう1頭は未捕獲)イノシシは現在1頭を2004年2月に宮崎市で捕獲し発信機を装着しているが,現在も追跡中である.
VHF方式により訪探したカモシカの行動圏は10-20haと非常に狭く,定着的であることがわかった.発信機脱落には失敗したのでGPSデータ解析はできていないが再捕獲によって回収後に解析を予定している.金華山のシカの行動圏は5-10haにすぎない狭いものであった.ここでは1日6地点のロケーションができたので,昼夜の生息地利用がわかり,昼夜とも森林と草原を同程度に利用していることが明らかにされた.富士山のシカ(メス)は北側の標高500m地点で捕獲され,すぐに10kmほど離れた南側(静岡県)の標高1500m周辺に滞在した.オスは発信機を脱落させたが,浸水しており,現在メーカーに解析を依頼中である.
自動脱落装置の成功率が低くまだ信頼性は低い.このことはGPS発信機にとって致命的であるのでさらなる改良を求めたい.カモシカは定着的で行動圏が非常に狭いこと,シカは生息地の状況によって行動圏の広さなども大きく変化することがわかった.当初,農林業被害対策を目的のひとつとしたが,本調査では捕獲,追跡など方法上の問題点の洗い出しと,各種の行動圏利用について技法によって従来未知であった行動圏についての知見を解明することころまでが今回の到達点であり,被害対策については改めて研究が必要である.

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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