研究課題/領域番号 |
14360203
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
森崎 久雄 立命館大学, 理工学部, 教授 (50125671)
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研究分担者 |
立木 隆 立命館大学, 理工学部, 教授 (60026573)
今村 信孝 立命館大学, 理工学部, 教授 (10160061)
久保 幹 立命館大学, 理工学部, 教授 (60249795)
若山 守 立命館大学, 理工学部, 助教授 (70240455)
奥西 将之 立命館大学, COE推進機構, ポスドク研究員
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キーワード | イネ / 微生物フロラ / エンドファイト / 16SrDNA塩基配列 / 新規バクテリア |
研究概要 |
本研究では米粒ばかりでなく、葉、茎、根を含めて、イネという植物全体を視野に入れ、そこに棲む微生物のフロラを明らかにし、さらに微生物の機能の解明・応用を目指している。平成16年度には次の諸点を明らかにした。 1)水田で実際に栽培されている米粒中の微生物フロラに関して 水田で実際に栽培されているイネ(Oryza sativa cv.Kinuhikari)の米粒から分離した菌株の16SrDNA塩基配列の解析をすすめ、ポット栽培したイネ(Oryza sativa cv.Nipponbare)から得られた知見と比較検討した。その結果、米粒内部ではPnatoea ananasに類似の菌株がイネの種(species)や栽培条件の違いにかかわらず、共通して米粒内部に棲息していること、また、米飯の腐敗を招くBacilus属に類似の菌株が、ポット栽培と同様水田栽培した場合でも、登熟過程初期にすでに米粒内部に棲息していることが明らかとなった。 登熟過程が進むにつれ、グラム陽性菌の割合が増加するという傾向が水田栽培の米のエンドファイトについても、ポット栽培の場合と同様、認められた。しかし、水田栽培の米粒中ではグラム陰性菌の割合がポット栽培に比べ高かった。 2)米表面の微生物フロラに関して 米の表面で検出されたバクテリアの属構成は米内部のそれと類似していた。バクテリアの米の表面と内部の間の往来を示唆しており、米への有用微生物導入などに応用できる可能性がある。 3)新規バクテリアの発見と同定 イネの根から新規なバクテリアを分離した。16SrDNAシークエンス解析の結果、本菌株の最類似菌株はPhyllobacterium trifolii PET02(AY786080)であり、類似度はわずか94.3%であった。種々の生理的特徴を精査した結果、本菌株が新科の細菌である可能性も示唆された。脂肪酸組成、キノン分析など更なる解析を慎重に進めているところである。 4)上述の内容と関連して種々の環境中の微生物のフロラ、細胞表面特性、付着特性に関連する研究を進めた。
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